【2023最新】COBOLでできること3選!

【2023最新】COBOLでできること3選!

COBOLは、プログラミング言語の中でも、比較的歴史の長いものです。信頼性の高いシステムや計算の多い システムに利用されています。現時点でも、COBOLで開発されたアプリケーションは数多くあるでしょう。

しかし、少しずつ プログラミング言語の需要は変化し、COBOLは需要が下がってきました。それによって、どのようなプログラミング言語か、知らない人もいるようです。今回は、基本知識からプログラミング言語の今後を解説します。

COBOLとはどのようなプログラミング言語か

COBOL(Common Business-Oriented Language)は、1959年に開発されたビジネス指向のプログラミング言語です。COBOLは、その名前が示すとおり、主にビジネスや金融業界のアプリケーションに使用されることを目的として設計されました。そのため、データ処理やレポート生成などのタスクに適した機能が含まれています。また、COBOLは英語に似た構文を持つことで有名で、非技術者でもプログラムの目的や機能を理解しやすい言語です。

また、堅牢性と移植性が高いことで知られていて、長期間にわたってさまざまなコンピュータシステムやプラットフォームで使用されてきました。そのため、現在でも多くの企業システムや金融機関で稼働しているアプリケーションに、COBOLで開発されたものが含まれています。

しかし、COBOLは現代のプログラミング言語と比較して古い設計です。そのことから、一部のエンジニアから「書き方や構造が非効率的である」と批判されることがあります。また、現代のエンジニアは、より新しいプログラミング言語を習得しているため、COBOLのスキルを持っていないこともあるぐらいです。

COBOLでできる3つのこと


COBOLはいくつかの用途に利用できるプログラミング言語です。具体的な用途は以下のとおりです。

事務処理

COBOLは、ビジネスアプリケーションの開発の中でも、事務処理に強みを持っています。事務処理とは、データの入力・変換・出力やデータベースとのやりとりなど、ビジネスで一般的に行われるデータ処理全般を指します。例えば、銀行取引や保険契約、給与計算などの事務処理アプリケーションを開発可能です。

また、COBOLにはデータを扱うための豊富な機能が備わっているため、データの処理を容易に実現できます。例えば、ファイルやデータベースから「データを読み込む」「データを更新する」「新しいデータを登録する」などの処理が可能です。加えて、構造化されたデータを効率的に扱うための機能も含まれているため、さまざまなデータ形式やデータ構造を簡単に定義できます。

数値計算

プログラミング言語の中でも、数値計算にも強い能力を持っていることが特徴です。そのため、金融業界や経理部門で利用するシステム開発に多用されます。例えば、複雑な金利計算や税務計算、統計処理などのシステムを効率的に開発するのです。COBOLは、数値データを扱うためのさまざまなデータ型や演算子を提供しているため、これによって正確で高速な計算ができます。

特に、COBOLには固定小数点数と浮動小数点数の両方の数値型が用意されているため、計算の精度や速度を柔軟に選択可能です。これにより、誤差が許されない金融や会計のアプリケーションにおいて、COBOLが信頼性の高い選択肢となっています。

他にも、COBOLは標準の関数やそれらを組み合わせたサブルーチンを利用して、より高度な数値計算を実行可能です。これらを活用することによって、エンジニアは独自に複雑なアルゴリズムを実装する必要がなくなります。つまり、数値計算が必要なアプリケーションの開発を効率化でき、テスト不足によるエラーの発生も抑えられるのです。

バッチ処理

バッチ処理を開発するためのプログラミング言語としても利用されます。ここでのバッチ処理とは、一連のタスクをまとめて、自動的かつ順番に実行する処理です。バッチ処理は、大量のデータを効率的に処理する際に利用されることが多く、数多くのシステムで一般的に利用されています。

いくつものプログラミング言語で実装できますが、COBOLには、バッチ処理をサポートするための機能が備えられています。例えば、COBOLは、複数の入力ファイルやデータベースからデータを読み込み、それらのデータを処理して、出力ファイルやデータベースに書き込むことが容易です。

処理が軽量で高速なプログラミング言語であるため、一度に大量のデータを効率的に処理することができます。また、非同期的に実行することが可能であり、他のタスクやアプリケーションの動作に影響を与えません。限られたリソースでも、COBOLならばシステムのパフォーマンスを維持できるのです。

COBOLの利用例

上記で解説したとおり、COBOLはいくつものシステム開発に利用されています。具体的にどのようなシステムで利用されているのか、それらについて紹介します。

金融システム

COBOLは、金融システムの開発において長年使われてきたプログラミング言語です。これは、解説したとおり、データ処理やレポート生成に強いということが背景にあります。具体的には、銀行や保険会社、証券会社などの「顧客データの管理」「口座残高の計算」「取引処理」など、さまざまな業務がCOBOLで開発されているのです。

金融システムは、堅牢性と安定性が非常に重要であり、COBOLはその要件を満たせるプログラミング言語です。また、金融機関が多くの場合、長期間にわたってシステムを使用するため、COBOLの高い移植性やメンテナンス性も大きな利点となっています。

行政システム

政府機関や地方自治体の行政システムにも広く利用されています。例えば、社会保障や税務、住民票などのデータ管理など、さまざまな業務にCOBOLが利用されているのです。近年は行政システムの刷新で変化している可能性もありますが、まだまだ残っていると予想されます。

行政システムは、信頼性や安全性が求められるため、COBOLが選ばれることが多くありました。また、長期間にわたってシステムが使用されることを考慮すると、COBOLの堅牢性やメンテナンス性が重要な要素となっていたのです。現在は変化が見られますが、そのような背景は理解しておきましょう。

ホテルや鉄道の予約システム

ホテルや鉄道の予約システムも、COBOLが利用されていた分野です。これらのシステムでは、顧客情報や予約状況の管理、利用料金の計算、空室や空席の確認など、多くのデータ処理が必要とされます。COBOLは、データ処理やレポート生成に適したプログラミング言語であるため、採用される機会が多かったのです。

こちらについても行政システムと同様に、新しいシステムに刷新されている可能性はあります。ただ、部分的にCOBOLが残っているシステムも多く、COBOLの処理性能が今でも評価されている分野でもあります。

なぜCOBOLが多用されているのか

今でこそ、COBOLの需要は下がっていますが、過去は多用されていたプログラミング言語です。その理由についても理解を深めておきましょう。

可読性が高いから

COBOLが多用されている理由は可読性の高さです。英語に似た構文を持つプログラミング言語であり、プログラムの目的や機能を理解しやすいとされています。そのため、他のプログラミング言語よりも採用される機会が多くありました。

また、COBOLのプログラムは、明確な構造を持つことが一般的であり、データや手続きが独立して定義されています。これはコードの変更やデバッグを容易にできる特徴だといえるでしょう。エンジニアが効率的に開発できることから、COBOLが選択されています。

保守性が高いから

保守性が高く、堅牢で移植性も高いことから採用されることが多くなっています。長期間にわたってシステムを稼働させる必要があるビジネスでは、COBOLが好まれる傾向がありました。

また、COBOLプログラムは、過去のシステムやデータ構造との互換性を実現しやすいことが特徴です。結果、アップグレードや改修にも対応しやすいプログラミング言語となっています。基幹システムのような大規模なシステムは、導入すると長く利用するため、長期間利用しやすいCOBOLが好まれていました。

数値計算に強いから

COBOLは、他のプログラミング言語よりも数値計算が強いものです。ビジネスの場では、正確な数値計算が重要な要素であるため、これに応えるCOBOLが好まれました。固定小数点や浮動小数点による数値表現をサポートしているため、高精度の計算が可能です。

さらに、金額や日付、時刻などのビジネスで一般的に使用されるデータ型を扱うための特別な機能を提供しています。これらは一例ですが、数値計算の正確さや高速さを重視した言語であることが、COBOLを多用する理由となっているのです。

2023年にCOBOLが抱える2つの課題


2023年現在、COBOLは2つの課題を抱えるようになっています。それらの課題についても、続けて解説します。

エンジニアの高齢化

COBOLエンジニアの高齢化は、2023年現在のCOBOLが抱える大きな課題です。COBOLが開発されたのは1959年で、多くの現役のCOBOLエンジニアはその頃からプログラミング言語を扱っています。つまり、現在は高齢エンジニアになっている状況なのです。これにより、COBOLの専門知識や経験を持つエンジニアが減ってしまい、COBOLのサポートやメンテナンスが難しくなる懸念があります。

この高齢化によるスキル不足を解決するためには、新世代のエンジニアにCOBOLの知識と技術を伝えることが重要です。ただ、現代はプログラミング言語や技術が急速に進化しているため、新しいエンジニアがCOBOLを学ぶ意義は見出しにくいでしょう。エンジニアの高齢化は避けられないと考えられます。

新規案件の減少

新規のCOBOL案件が減少していることも大きな課題です。近年、新しいプロジェクトやアプリケーションの開発では、新しいプログラミング言語が好まれる傾向にあります。例えば、PythonやJavaなどの言語で開発され、COBOLを選択するケースはほとんど見受けられません。

新規案件の減少は、COBOLのエコシステム全体に悪影響を与える可能性があります。新規プロジェクトが少なくなると、エンジニアや企業がCOBOLを習得したり活用したりする意味が薄くなるのです。結果、COBOLを扱えるエンジニアが減ってしまい、一部の扱えるエンジニアにしわ寄せがくるかもしれません。

これからのCOBOLはどうなるのか

現時点では、COBOLで開発されたシステムが多数残っています。そのため、COBOLが今すぐに衰えてしまうことはないでしょう。エンジニアの高齢化は懸念事項ですが、それらのエンジニアが踏ん張るしか無いと考えられます。

ただ、これからはITエンジニアの不足が問題視されているため、COBOLは完全に蚊帳の外になる可能性も否定できません。そうなると、COBOLを利用したシステムのリプレースなども難しくなってしまいます。可能な限り、COBOLからよりモダンなプログラミング言語に置き換える活動に取り組んだ方が良いでしょう。

まとめ

COBOLがどのようなプログラミング言語であり、どのようなシステムの実装に利用されるのか 解説しました。数値計算などを得意とするプログラミング言語で、行政システムや各種予約システムに利用されています。主要なプログラミング言語と考えて差し支えないでしょう。

ただ、現在はプログラミング言語の需要に変化がありCOBOLは積極的には利用されていません。むしろ、新しいプログラミング言語に置き換えられています。既に開発されたシステムが、いくつもあるにも関わらず、エンジニアが減少しているのです。この点は、COBOLを取り巻く課題だと考えなければなりません。

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admin