【スグわかる!】年収アップのためのフリーランス市場価値自己診断
フリーランスが高単価な案件を獲得するためには、自分の市場価値を知ることが重要です。これを知らずに案件の獲得を続けていると「スキル不足」という落とし穴にハマってしまいます。具体的に市場価値を自己分析する方法とその後の流れを解説します。
市場価値の自己分析がなぜ重要なのか?
いきなり市場における自己分析が必要だと言われても「なぜ分析が必要なのか」と疑問を持たれるかと思います。まずは自己分析がなぜ重要なのかをご説明します。
キャリアを見直す為の下準備
フリーランスの自己分析は「キャリアを見直すための自己分析」だと考えましょう。自己分析なしにこれから先のキャリアを検討しても根拠に欠けてしまいます。自己分析の結果を踏まえることで、適切に自分のキャリアを考えることができます。
フリーランスエンジニアの場合は、自己分析にできるだけ早く取り組むことが重要です。エンジニア業界には「35歳定年説」という言葉があるように、歳を重ねれば重ねるほど身動きが取りにくくなります。そのような状態に陥ってから自己分析をしても手遅れになるかもしれないのです。
逆に、できるだけ早く自己分析に取り組めば、これからのキャリアを検討しやすくなります。自分に何かしら不足しているものがあっても、それを補填してから新しいキャリアへ進むことが可能なのです。
自己分析をせずにフリーランスを続けていても、同じような案件にばかり参画する状況が続いてしまいます。フリーランスエンジニアとしてさらに年収アップしたいならば、できるだけ早く自分のキャリアプランを持つために自己分析をしましょう。
年収アップには現状把握から
フリーランスエンジニアとして年収アップしたいならば、現状把握をすることが重要です。上記でご説明したとおり自己分析によって現状を把握し、それを踏まえた行動をしなければなりません。
年収アップに向けた活動については「PDCAサイクル」をイメージしてもらうと良いでしょう。こちらのサイクルを回すように、年収アップのためには現状を把握して、年収アップに向けた行動を起こし、その結果を改めて評価することが重要です。
活動を起こすにあたっては、年収が高い人の特徴を参考にすると良いでしょう。個人ブログやTwitterなどをチェックして、高年収のフリーランスエンジニアがどのように働いているのかを参考にするのです。保有しているスキルや案件の獲得方法など、参考にすべき部分は数多くあるでしょう。
年収アップのため最終的にやるべきは、自分と年収が高い人とのギャップを埋めることです。参考にするだけはなく、自分には何が不足しているかも洗い出しておくと次のステップに進みやすくなります。
エンジニアには落とし穴がある
エンジニアは人気の職業であり年収アップが期待できますが、落とし穴があることも意識すべきです。この点を認識しておかなければ、思うように年収がアップせず苦しい状況に陥るかもしれません。
例えば、プログラミング言語には流行り廃りがあり、廃れていくプログラミング言語に固執していても年収アップは期待できません。具体的にはCOBOLなどの「レガシー」に分類されるプログラミングスキルを習得していても、流行りのプログラミング言語より圧倒的に年収がアップしません。
これは一例ですが、保有しているスキルや環境など「いまポートフォリオに記載できる内容」にこだわりすぎると落とし穴にはまる可能性があります。自分の市場価値よりも市場価値の高い人のスキルに注目し、自分に不足しているものがあれば習得することも考えましょう。
安定する
需要が高いスキルを持ち、市場価値が高い状態をキープすればエンジニアとして長く活躍できるようになります。言い換えると安定した収入が期待できるようになるのです。
会社員の場合は、何かしらの理由で解雇されてしまうと次の仕事を探すことが難しくなってしまいます。特に正社員として働きたいと考えると、求人の選択肢が狭まってしまうのです。エンジニアの求人は多くありますが、自分に適した会社を探すことは難しいでしょう。
それに対して、市場価値の高いフリーランスならば案件が終了してもすぐに新しい仕事を見つけられます。最初からそのような働き方を前提としているため、いきなり案件が終了するような状況にも対応できるのです。自分の市場価値がわかっていれば、会社員よりも臨機応変に対応が可能であり、働き方として安定します。
市場価値の自己分析方法は?
フリーランスエンジニアの年収や市場価値はほぼ以下で示す3つの要素で決定するので、それぞれについて詳しく分析するのが自己分析の基本です。
スキル/職種
どのようなスキルを持ち、どのような職種を経験してきたかが非常に重要となります。フリーランスエンジニアは自分のスキルを武器に他のエンジニアと戦っていく必要があるため、スキルの高さは年収に直結します。
フリーランスエンジニアには様々なスキルや職種が求められますが、近年人気の高いエンジニアのスキルと平均年収は以下のとおりです。
スキル・職種 | 平均年収 |
AI | 558万円 |
IoT | 523万円 |
セキュリティ | 596万円 |
フロントエンド | 597万円 |
バックエンド | 430万円 |
クラウド | 594万円 |
フルスタック | 592万円 |
VR | 540万円 |
こちらはフリーランスエンジニアだけではなく会社員として働く人の年収も含まれています。フリーランスとは年収の考え方が異なるため、少なく見えてしまう点にはご注意ください。
上記の表からも理解できるとおり、保有スキルによって平均年収は大きく異なります。高いスキルが求められる分野は平均年収が高くなるのに対し、簡単なスキルから高いスキルまで満遍なくある分野は平均年収が低くなる傾向にあります。これは単価が安くスキルが低い人でも働けてしまうからです。
自分の市場価値を分析する際は、自分にどのようなスキルや職種があるのかを明確にしましょう。複数の案件を経験してきている人は、どのエンジニアに分類されるのか決定できないかもしれません。しかし、エンジニア業界はまんべんなくスキルを保有しているよりも、ある程度は何かしらに特化している方が優遇される傾向にあります。そのため、自分が保有するスキルの中でも特に強みだといえる部分を押し出していきましょう。
地域
フリーランスエンジニアとして働く地域によって年収は大きく異なります。また、どのような地域で働いてきたかによって、市場価値にも違いがありIT業界が発展している地域で働いていた経験が評価されるのです。
例えば、海外を含めた地域の平均年収をまとめてみると以下のとおりです。
地域 | 平均年収 |
東京 | 509万円 |
シリコンバレー | 1,370万円 |
スイス | 1,048万円 |
ドイツ | 654万円 |
物価の違いはありますが、働く地域によって平均年収が大きく異なります。言うまでもなく海外で多くの収入を得ていた方が市場価値は高く、日本国内の企業でも評価されやすくなります。ただ、海外には平均年収よりもエンジニアの平均年収が低い国もあるため「海外=レベルの高いエンジニア」とは言い切れない点も考慮すべきです。
意外にも「自分がどのような地域で働いてきたか」という情報は市場価値を左右します。特に平均年収が高くレベルの高いエンジニアが多い地域で働いていたならば、日本国内でそのスキルが認められやすいのです。海外で働いた経験を持つ人は少ないかもしれませんが、そのような経験があるならば市場価値が高い事を認識するようにしましょう。
経験年数
エンジニアは経験年数が長いほど高いスキルを持つと考えられています。そのため、経験年数も市場価値を大きく左右します。自分が長く携わっている分野を強調したり、一つの分野に携わり続けるように案件を選んだりすることで、年収UPが期待できます。
まず、経験年数が3年を超えるまでは「駆け出し」「初心者」と判断される傾向にあります。平均年収は低めであり300万円前後だと考えましょう。フリーランスで活躍している人は少なく、会社員もまだまだ昇給していない段階です。
経験年数が3年を超えて7年程度までは「リーダー」「中堅」と呼ばれるような人材になってきます。ベンダーや後輩などをまとめる立場となり、エンジニアとしてのスキルだけではなくマネジメント的なスキルも必要となるのです。そのような背景もあり、平均年収は400万円から600万円程度と環境によって大きな開きがあります。
経験年数が8年を超えたあたりからは「ベテラン」と呼ばれる人が増えてきます。年齢的にも30代後半から40代程度であり、フリーランスでも安心して仕事を任せてもらえるレベルです。このレベルになるとスキルや環境によって年収に大きな違いがあり、500万円から1,000万円を超える人まで出てきます。
自分の市場価値を高めるには、他人を参考にすべし!
これから自分の市場価値を高めたいと考えているならば、市場価値の高い人を参考にするようにしましょう。年収への影響度が高い、スキル・地域・経験年数について、年収が高いフリーランスエンジニアの例をご紹介します。
スキル
これから新しくスキルを習得するならば「セキュリティ」と「クラウド」が候補に挙がります。
近年はメディアなどでも紹介されている通り、サイバー攻撃が増えています。どの企業でも攻撃の対象になる可能性があり、各社による自己防衛は避けられません。そのため、セキュリティエンジニアの需要が急激に高まっており、ポートフォリオに記載するフリーランスエンジニアが増えています。
また、「脱オンプレミス」を掲げている企業がまだまだあるため、クラウドエンジニアの需要も高まっています。具体的にはAWSやAzureなどを扱えるエンジニアの需要は高いです。クラウドの中でもパブリッククラウドを利用する傾向にあるため、これらについてのスキルがあると良いでしょう。また、クラウドサービスを利用するためにはインフラなどのスキルも必要であるため、インフラエンジニアのスキルもあると魅力的です。
地域
フリーランスとして活躍する地域を選択できるならば「東京」と「スイス」が候補に挙がります。
まず、日本国内で活躍するならば東京で仕事ができるに越した事はありません。東京は日本の首都であり多くの企業が東京に集中しています。基本的に賃金が高く設定されているため、同じスキルを保有していても東京の方が年収アップにつながりやすいのです。
続いて、海外に移住して働きたいと考えるならばスイスをはじめとしたヨーロッパが良いでしょう。スイスはフリーランスエンジニアの年収が高い国の筆頭です。スイスに限らず、ヨーロッパはエンジニアが働きやすい環境が整っており、自分のスキルを高めるには適した環境です。ただ、ヨーロッパであっても国によってはエンジニアが働く環境が整っておらず、平均年収が低いことがあるため、働く地域を決める際にはその点を確認しましょう。
経験年数
経験年数は自分で増やすことができるものではありませんが、長年使い続けているスキルにフォーカスを当てたポートフォリオを作ることで経験年数を多く見せることが可能ですし、保有スキルを活かせる案件に参加することで経験年数として記載できる期間を伸ばすことが可能です。
上記でも説明したとおり、エンジニアは経験年数が3年を超えたあたりからスキルが評価されるようになります。フリーランスでも会社員でも3年が基準となるため、もしここに届いていない人がいるならばまずはがむしゃらにスキルアップに励みましょう。
逆に5年や7年など経験年数が長くなってきている人は市場価値が十分に高いといえます。実際に有名なフリーランスを参照してみると、会社員として3年から5年程度働いて活躍している人が多くいます。本人が保有するスキルに左右される部分はあるものの、「10年」など長期間の経験を積まなくとも評価されるのです。
5年目程度から市場価値が高いことを踏まえると、3年目のうちには将来を考えておくことが理想的です。まだわからないことが多いかもしれませんが、大まかにでもキャリアプランの設計をしておくと、エンジニアとして働くにあたって後悔が少なくなるでしょう。
まとめ
年収アップのためにフリーランスがやるべき市場価値の自己診断をご説明しました。自分の市場価値を意識していない人は多いですが、これを把握していないと適切なキャリアプランは描けません。年収への影響度が高い「スキル」「地域」「経験年数」から自分を評価してみましょう。
また、自己診断するだけではなく、不足している部分を補うための行動が必要です。年収が高い人のスキルや働き方のポートフォリオを確認・比較して、自分が不足している部分を減らすような取り組みをしましょう。取り組みと自己診断、年収の高い人との比較を繰り返すことで、自分自身を市場価値の高い人材へと進化させることができます。