ChatGPTとは？需要と将来性を解説
ChatGPTは、ここ数ヶ月非常に注目されているAIサービスです。以前からAIは注目を集めていますが、ChatGPTはそれとは比べ物にならないほど注目されています。テレビなどでも取り上げられるくらいであり、社会現象といっても差し支えありません。
知名度の高いサービスではありますが、詳細については理解できていない人も多いようです。今回は話題のChatGPTはどのようなサービスであり、どのような用途に利用できるのか、そして需要や将来性はどうなっているのか解説します。
ChatGPTとはOpenAIの対話型AIチャット
ChatGPTはOpenAIが開発した、対話型のAIチャットです。まずは、ChatGPTがどのようなサービスであるのか、適切な理解を持つようにしていきましょう。
OpenAIの大規模言語モデルも利用
ChatGPTはOpenAIと呼ばれる、人工知能の研究に力を入れている企業が開発した対話型AIです。同社が開発している大規模言語モデルを活用していて、他にはない独自のAIが提供されています。また、大規模言語モデルは同社が開発しているものですが、ChatGPTは独自のカスタマイズが施されている状況です。
大規模言語モデルは、対話型AIの中核をなす部分であるため、これによって挙動が大きく異なります。OpenAIはChatGPT向けのもの以外にも、大規模言語モデルを開発していて、これらの間でも挙動が異なるのです。ChatGPTは、利用者からの質問に答えたり、指示に沿って作業したりする能力を高めています。
対話型AIチャットとして提供
AIの中でもChatGPTは「対話型」として提供されています。対話型とは、人間と会話するように、AIとも会話できるものです。ChatGPTは、チャット欄を活用することで、人間と会話するように情報のやり取りができます。
例えば、質問を入力すると、それに答えるような形で返答が表示されます。スマートフォンなどに搭載されている、コミュニケーションアプリで、友人に連絡するようなイメージです。人間との会話と同じようなUIで、AIとやり取りできることが、ChatGPTなど対話型AIの魅力となっています。
ChatGPTで実際にできる5つの事例
ChatGPTは非常に多くの依頼や作業に対応してくれるAIです。今回は、具体的な事例として5つを紹介します。
質問
ChatGPTは、疑問を解決するためのサービスとして利用可能です。さまざまな質問をすると、ChatGPTがその内容を理解し、適切な解答を示してくれます。検索エンジンのように、自分自身で結果を吟味する必要はなく、文章や箇条書きで結果を示してくれることが特徴です。
また、対話型のAIであるため、回答内容の深堀ができます。ChatGPTが示した回答内容に、さらなる質問があるならば、それも質問できるのです。これによって、会話形式で疑問点を解決できるようになっています。
なお、質問の仕方によって、ChatGPTが生成する回答は異なります。何かしら希望があるならば、それを伝えるようにすることで、意図した形式の解答が示されるのです。
会話
質問ではなく、一般的な会話にも対応してくれます。ChatGPTに呼びかけることで、友人と話すような対応をしてもらえます。例えば、「こんにちは」と呼びかけるならば、同様に挨拶してくれるのです。
他にも、大規模言語モデルの特徴を活かし、さまざまな会話に対応してくれます。何かしらの相談に対応してもらったり、暇つぶしに対応してもらうことも可能です。どのような会話でも、ChatGPTを利用すれば、人間と同じように会話できます。
また、「しりとり」のような、ルールが必要な会話も可能です。基本的なゲームであれば、最初からルールを理解しているため、暇つぶしにも最適でしょう。
プログラミング
人工知能を利用して、プログラムを作成することが可能です。ChatGPTに、作成して欲しいプログラムを依頼すると、依頼内容を踏まえたプログラムを作成してくれます。例えば「PHPのユーザーフォームを作成して欲しい」と依頼すれば、それに適したプログラムが回答されるのです。
また、プログラムの中でも、複雑なアルゴリズムや珍しいプログラミング言語に対応できます。ChatGPTは、幅広いプログラミング言語についても学習しているため、その点は心配する必要がありません。
ただ、ChatGPTが生成するプログラムは、過去に学習した結果を踏まえたものです。学習した元となる情報は公開されていないため、著作権的な問題が発生する可能性があります。ビジネス利用の場合は、そのままプログラムを利用するのではなく、参考にしてプログラムを作成しましょう。
アイデア出し
新しいアイデアを生み出したい際に、ChatGPTを活用できます。ChatGPTが、すでに学んでいることだけではなく、学んでいる内容を踏まえてアイデアを出してくれるのです。
例えば、「新しい商品の売上を伸ばすためにはどうすれば良いですか」との質問に対して、いくつものアイデアを出してくれます。明確な答えが存在する質問ではありませんが、今までの学習内容を踏まえて、AIが導き出してくれるのです。
もちろん、常に適切なアイデアを出してくれるとは限りません。突拍子もないアイデアで、採用できないこともあるでしょう。人間には思いつかないような、新しいアイデアを出してくれることもあります。
ルーチンワーク
同じ作業を何度も繰り返す、ルーチンワークをChatGPTに依頼できます。ルールを指定すれば、それに沿って同じ作業を繰り返してくれるのです。
例えば、箇条書きのデータを、CSVファイルに変換したいとします。この時に必要な作業は、改行の削除とカンマの付与です。ルールとしては単純なことであるため、ルーチンワークとしてChatGPTに任せられます。
これは一例ですが、ルールが明確なことであれば、依頼して対応してもらうことが可能です。テキストベースで処理できることに限られますが、人間が対応するよりも、高速かつ正確に対応してくれます。
ChatGPTの使い方
ChatGPTで実現できることを解説しましたが「結局どうやって使うのか」という人も多いでしょう。続いては、実際に利用する際の手順について解説します。
利用時には登録が必須
ChatGPTを利用するためには、事前に登録しなければなりません。近年は、登録なしで利用できるAIもありますが、ChatGPTは登録が必須です。
ただ、登録にあたっては費用は発生しません。公式サイトへアクセスして、無料アカウントを作成できます。また、Googleなど、他のサービスで利用しているアカウントを連携させることも可能です。個別にアカウントを作成することが手間ならば、連携させると良いでしょう。こちらについても料金は無料です。
アカウント登録が完了すれば、すぐにサービスを利用できます。他のAIサービスのように、登録してからの待機期間はありません。ChatGPTのメイン画面にアクセスして、AIと対話してみましょう。
有料版はGPT-4がシームレスに対応
ChatGPTには、ChatGPT Plusと呼ばれる有料プランがあります。こちらの有料プランを契約すると、最新のモデルであるGPT-4が利用可能です。ChatGPTは、無料と有料で選択できる大規模言語モデルが異なり、有料ならば選択肢が増えます。
言語モデルの違いは、生成される文章の違いにつながります。新しい言語モデルを利用した方が、より正しい文章が生成されるのです。GPT-4は、非常に多くの文章を学習していて、より人間に近い文章を生成してくれます。可能な限り、こちらを利用した方が良いでしょう。
また、有料版を利用することによって、回答の待ち時間を短くできます。無料版は、混雑時などに利用制限がかかりますが、有料版ではこの問題が発生しないのです。
ChatGPT利用時の注意点
ChatGPTは利便性の高いツールですが、利用時には注意点があります。続いては、これらの注意点について解説します。
誤りを含むことがやや多い
大規模言語モデルは完璧なツールではなく、誤りを含むことがあります。ChatGPTを過信せず、時には疑ってみることも大切です。むしろ、誤りが含まれているものだと考えて、疑いながら利用した方が良いでしょう。
実際、ChatGPTに文章を書いてもらうと、誤りを多数含むことがあります。そのままでは事実と乖離していることがあるため、人間が確認しなければなりません。ChatGPTを利用しても、ファクトチェックは求められるのです。
ただ、GPT-4を利用すると、事実との乖離が少なくなっています。これは、より多くの文章を利用して、大規模言語モデルを開発しているからです。とはいえ、こちらについても、必要に応じてチェックが必要です。
負荷により接続が不安定になる
世界的に人気を集めていることから、利用者数が急増しています。サービスとして、大量通信への対応を強化していますが、負荷が増加すると応答が不安定になる状況です。質問を投げかけても、スムーズに反応してくれないかもしれません。
また、負荷の増加によって、メイン画面が表示されないこともあります。ChatGPTに問いかけることすら不可能であるため、これも注意しておきましょう。利用者側では対応できないことです。
なお、有料版を利用している場合は、この問題が解決されやすくなっています。ただ、それでも応答が遅いことがあるため、なるべく時間に余裕を持って利用するのが望ましいでしょう。
ChatGPTの需要や将来性
最後に、ChatGPTの需要や将来性についても考察します。
世界的に爆発的な需要がある
現在ChatGPTは、世界的に爆発的な需要があります。日本でも各種メディアに取り上げられているように、海外でも需要が高まっているのです。これからも需要は高まり続けると考えられます。
このように需要の高まる状況であるため、ChatGPTを扱える人材の需要も高まっています。多くの企業で、ChatGPTを活用したサービスを開発していて、エンジニアが必要とされているのです。今までのプログラマーとは、異なった人材が求められていると考えます。
なお、新しい需要であるため、状況は大きく変化するかもしれません。世の中的にどのようなエンジニアが求められているのかも、常にキャッチアップしておきましょう。
活用される場面が多く将来性は明るい
現在の需要を踏まえると、ChatGPTの将来性は明るいと考えられます。また、これを扱うエンジニアの将来性も明るいでしょう。積極的にチャットGTPを扱うエンジニアとして活躍できるはずです。
ただ、短期的な将来性は明るいものの、長期的な将来性はキャッチアップが求められます。ChatGPTはOpenAIが提供する製品であるため、サービスの仕様変更が起きる可能性があるからです。何かしら大きな仕様変更があり、将来性に影響が出るかもしれません。
また、競合他社のサービスにも注目しておくべきでしょう。新しいサービスが普及することで、ChatGPTの将来性が変化するかもしれません。近年はAIが進化しているため、幅広い視点を持つことが重要です。
まとめ
注目を集めているAIサービスである、ChatGPTについて解説しました。質問に答えてくれるだけではなく、対話形式で内容を深掘りしたり、作業を依頼したりできます。世界で最も利用されている、AIサービスといっても過言ではありません。
需要が高まっていることから、扱える人材の需要も高まっています。チャットGTPのスキルを習得すれば、幅広い分野で活躍できるでしょう。IT業界以外でも、ChatGPTを扱える人材が求められています。
なお、ChatGPTの競合サービスは、数多く開発されている状況です。状況が変化する可能性はあるため、最新情報はキャッチアップしておきましょう。
