データマイニングエンジニアとは?必要なスキルと需要、将来性を徹底解説!

データマイニングエンジニアとは?必要なスキルと需要、将来性を徹底解説!

大量のデータを収集できる今の時代において「データ活用」は非常に注目されています。今までのように、経験や勘に基づいた判断ではなく、データに基づいた判断が求められているのです。すでに大量のデータがあるため、これらを活かしたいという考え方も大きいでしょう。

このような大量のデータから、傾向や関連性を見つけ出す分析を「データマイニング」と呼びます。また、これに従事するエンジニアをデータマイニングエンジニアと呼ぶのです。今回は新しいエンジニアの概要や仕事内容、必要とされるスキルから将来性まで徹底的に解説します。

データマイニングエンジニアとは

データマイニングエンジニアといわれても、その内容をイメージできない人は多いでしょう。新しく提唱されたエンジニアであるため、その詳細について解説します。

概要

データマイニングエンジニアは、データを分析して、それから傾向や関連性を導き出すエンジニアです。データを分析するためには、専門的なスキルが必要となるため、これを担当するエンジニアだと理解してください。

ただ、エンジニアと呼ばれるように、データマイニングエンジニアは分析に向けた実装なども担当しなければなりません。例えば、分析アルゴリズムについて学習し、それを特定のプログラミング言語で実装します。単純に、分析だけを担当するのは「データサイエンティスト」であり、データマイニングエンジニアはこれよりも業務範囲が広いといえます。

とはいえ、最終的な目的としては「データでビジネスなどの意思決定を支援すること」に違いありません。その点では、データ活用やデータ分析に関わる、他のエンジニアと大差ないでしょう。

仕事内容

データマイニングエンジニアの仕事内容は、データの収集や前処理から結果の生成まで非常に幅広いものです。

まず、データマイニングエンジニアは、データの分析に向けて前処理を担当します。例えば、データのクリーニングや正規化などです。提供されるデータは、分析に適した状態とは限らないため、分析できる状態にしなければなりません。なお、分析アルゴリズムを踏まえて前処理する必要があるため、アルゴリズムを決定しておきます。

続いて、実際にアルゴリズムを利用して、データを分析しなければなりません。分析にはいくつもの理論があるため、目的に応じて適したものを選択します。データを分析することで、人間には見つけられないデータの特性やパターンなどが明らかになるでしょう。

最後に、分析した結果を踏まえて、どのような結果を得られたかを関係者に展開します。求められている形式で資料を作成し、提供することまでが仕事です。また、分析から得られた結果は素人が理解できない内容かもしれないため、時には説明することも求められます。

データマイニングエンジニアに必要な8つのスキル


データマイニングエンジニアは、幅広くスキルアップすることが重要です。ただ、特に重要なスキルが存在するため、それらについて解説します。

統計学

データマイニングは、大量のデータからその背後にある傾向や関連性を見つけ出す作業です。このような作業には、統計的な手法や概念の理解が必要不可欠であるため、統計学のスキルが求められます。

統計学のスキルも幅広く、基本的な統計量から応用的な概念まで習得しなければなりません。例えば、中学校や高校で学ぶ平均や中央値、標準偏差などから、仮設検定や回帰分析、確率論などの専門的な概念まで必要です。また、これらの知識はアルゴリズムの実装に必要となるため、概要ではなく細かな部分まで理解しておかなければなりません。

機械学習

機械学習は大量のデータからパターンを学習し、それを踏まえて新しいデータに対して予測を提供します。分析や回帰、クラスタリングなどの技術を活用して、人間には実現が難しい速さでデータを処理してくれるのです。

データマイニングの強い味方ではありますが、使いこなすためには十分なスキルが求められます。例えば、機械学習のコアとなる深層学習や強化学習などの考え方が必要です。また、時にはこれらを踏まえたプログラミングも求められます。

ただ、機械学習についてはPythonなど主要なプログラミング言語でライブラリが提供されています。こちらを活用すると、スムーズに機械学習を導入できるため、これらを含めたスキルの習得が理想的です。

AI

機械学習と似ている部分がありますが、AIを使いこなすスキルが求められます。ここでのAIとは、すでに学習が完了しているモデルを利用することだと捉えてください。上記のようにAIそのものを実装するわけではありません。

例えば、データマイニングにおいては、データの前処理が必要です。全角と半角を統一したり「株式会社」と「(株)」を揃えたりします。ただ、このような作業は人間が対応していると無駄やミスが生じるため、機械化することが望ましいのです。ここでAIが役に立ちます。

RPAなどの自動化ツールとAIを活用すれば、このようなデータの前処理も正確かつ自動的に実施することが可能です。AIを使いこなすスキルを有していれば、データマイニングエンジニアとして時間を効率よく使えるようになります。

プログラミング

データマイニングを実施する際は、コンピュータにデータを処理してもらわなければなりません。要件に沿ったアルゴリズムを実装するため、プログラミング言語のスキルが必要です。統計学や機械学習と同様に、プログラミングスキルも非常に重要だと考えましょう。

プログラミング言語は多数ありますが、データマイニングではPythonRが多様されます。そのため、データマイニングエンジニアは、これらのプログラミング言語から習得することが重要です。また、PandasやNumPy、Scikit-learnなどのライブラリがあるため、これらの使い方も習得することが求められます。

データベース

大量のデータを処理する際は、データベースの活用が必要不可欠です。データマイニングにおいても、効率的に管理したり処理したりするためのデータベースが求められます。そのため、プログラミングスキルと合わせてデータベースのスキルも必要です。

まず、データベースは、その設計内容によってパフォーマンスに大きな違いが出ます。データマイニングにおいては、パフォーマンスが非常に重要であるため、これを最適化するスキルが必要です。大量のデータを効率よく処理するための方法を習得しましょう。

次に、データベースとデータをやり取りする際は「SQL」と呼ばれる言語が利用されます。こちらも適切に記述できなければ、処理内容が多くなってしまい、パフォーマンスが低下しかねません。単純にデータを取得するだけではなく、効率よくデータを取得するスキルが必要です。

データの可視化

データマイニングの結果は、数値やテキストだけで示されても理解しづらいことがあります。そのため、これらのデータを可視化するスキルも身につけておきましょう。グラフや図に置き換えることで、直感的に理解したり特性を把握したりしやすくなります。

例えば、分析したデータをExcelで処理すると、様々なグラフを生成できます。報告書をWordやExcelで作成するならば、Excelの機能を使って可視化できるようになると良いでしょう。データを貼り付けるだけで、簡単にグラフなどを生成できます。

また、PythonやRのライブラリには、分析した結果を可視化するものが存在します。これらを活用すると、別のツールに転記しなくとも、簡単に可視化することが可能です。データマイニングエンジニアならば、このようなライブラリを使用した方が良いことも多いため、これらのスキル習得も意識してみましょう。

ビジネススキル

データを分析する背景には、ビジネスを成功させたいなどの目的があります。データマイニングエンジニアは、分析の目的を理解して、それに沿ったデータを提供しなければなりません。そのため、データを提供する先のビジネスに関するスキルが必要です。

例えば、小売業のデータを分析するならば、売上の仕組みや利益の出し方などを理解しなければなりません。これを理解せずに、ステークホルダーが必要とする情報は提供できないでしょう。

これは一例ですが、ビジネスを理解しなければ、データマイニングエンジニアは目的を達成できません。結果を提供する先のビジネスモデルを詳しく理解することが求められます。

問題解決能力

データマイニングは、答えのない中で様々なデータを分析しなければなりません。そのため、データマイニングエンジニアには、問題解決能力が求められます。予期せぬトラブルに直面した際、それを解決して必要な結果にたどり着くことを目指します。

例えば、最初に想定している分析手法では、相関関係が導き出せないことがあるでしょう。本当に相関関係が無いということも考えられますが、分析手法の選択が間違っていることも考えられます。想定外の事象が発生しても、データマイニングエンジニアとして、解決に繋げなければなりません。

また、ビジネススキルと組み合わせて「ビジネスにおける課題」を解決することも求められます。経営層が抱える課題を理解して、それを解決するためにはどうすれば良いのかデータから導き出すのです。この観点でも、データマイニングエンジニアには、問題解決能力が求められます。

データマイニングエンジニアの需要や将来性


これからデータマイニングエンジニアとして活躍したい人は、需要や将来性が気になるでしょう。続いては、データマイニングエンジニアが現状どの程度求められていて、これからどのように変化していくのか解説します。

需要

データマイニングの需要は高まっていて、それと同時にデータマイニングエンジニアの需要も高まっています。データ活用の重要性が注目されたのは近年であり、まだまだ需要が続きエンジニアが不足している状況です。十分なスキルがあれば、幅広い環境で求められるでしょう。

例えば、小売業ではデータを効率よく活用するためにビッグデータ解析が当たり前になってきました。今までに蓄積されたデータを活用して、これからのビジネスを効率よく進めようとしているのです。このような状況下では、データマイニングエンジニアの需要が高まっています。

また、医療の現場では過去のデータを分析することによって、早期に疾病を発見する手法が開拓されています。このようなデータの分析にもデータマイニングエンジニアが必要となるため、需要は非常に幅広いといえるのです。

将来性

上記のようにデータマイニングエンジニアの需要は高まっている過程であり、この状態は続くと考えられます。日本ではデータ活用が諸外国より遅れているため、これからがトレンドだと考えられるからです。競合他社に追従する形でデータ活用が当たり前となり、それに伴ってデータマイニングエンジニアの需要も高まるでしょう。

そのように考えると、データマイニングエンジニアの将来性は明るいと考えられます。今のうちにスキルを習得しておけば、データ活用が当たり前となる時代に活躍できるようになるのです。今からスキルを習得しても遅くはないでしょう。

ただ、データマイニングのアルゴリズムは新しいものが日々研究されています。また、データを効率よく処理するために、AIの活用なども増えてきました。将来的にもデータマイニングエンジニアとして活躍したいならば、これら新しいテクノロジーやスキルを理解したり習得したりすることが重要です。

まとめ

大量のデータを分析して、特徴や傾向などを見つけ出すエンジニアがデータマイニングエンジニアです。データサイエンティストとは異なり、分析に必要なプログラムなども開発する点で「エンジニア」と呼ばれています。

世界的にデータ活用が当たり前になり、データマイニングエンジニアは急激に求められるようになりました。プログラミングスキルだけではなく、分析に関するスキルも必要となるため、より専門性の高いエンジニアとして求められているのです。解説したとおり、多くのスキルを習得しなければなりません。

学ぶものは多いですが、現在の需要や将来性を踏まえると、今からでも目指す価値のあるエンジニアです。統計学など数学的な部分が含まれますが、一度、キャリアプランとして考えてみても良いでしょう。

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admin