フリーランスエンジニアに有給はあるのか?フリーランスのお休み事情をチェック!

フリーランスエンジニアに有給はあるのか?フリーランスのお休み事情をチェック!

「フリーランスエンジニアに有給があるのか」は、気にしている人が多い情報です。これからフリーランスエンジニアを目指している人もすでにフリーランスエンジニアの人も、休みについて気になるのは当たり前のことでしょう。
世の中には「フリーランスエンジニアに有給はない」との噂もあります。今回はこの噂が事実なのかどうかを含めて、フリーランスエンジニアの休みについてご説明します。

フリーランスエンジニアも有給はある

実はフリーランスエンジニアにも有給はあります。厳密には「休んでも報酬が変わらない仕組み」があるのです。有給とは異なる仕組みですが、まずはこちらについてご説明をします。

フリーランスに有給がないというのは半分嘘

結論から述べると「フリーランスエンジニアに有給は存在しない」というのは半分嘘です。正しい意味合いもありますし正しくない意味合いもあります。
そもそも有給は「労働者に与えられる権利」のひとつです。つまり、会社に雇われている場合、その会社から権利として有給が付与されるのです。フリーランスエンジニアは会社に雇われているわけではありませんので、この考え方を踏まえると「有給は存在しない」というのが正しい解釈です。
ただ、実際フリーランスエンジニアは、多少休みをとっても報酬が変わらないケースが多々あります。つまり、実質的には有給のような仕組みがあるのです。有給には「休んでも収入が変わらない」との捉え方もありますので、そのような解釈をすると有給がないとは言い切れないのです。

契約形態によって考え方がやや異なる

フリーランスエンジニアには複数の働き方があります。つまり、複数の契約形態があるのです。有給の考え方は、これらの中でどの働き方をしているのかによってやや異なる部分があります。
特に注目したいのは、準委任契約をしているのか請負契約をしているのかという部分です。これらは働き方に大きな違いがあるため、有給の考え方についても異なる部分があります。
ただ、根本的に考えなければならない内容は、どちらの契約においても変わりありません。「フリーランスエンジニアの報酬は休暇を取っても変わらないのか」ということです。これについて以下でご説明します。

フリーランスの有給は2種類に分けられる

フリーランスエンジニアの有給は、大きく分けて2種類あります。内容も大きく異なっていますので、それぞれどのような考え方か理解していきましょう。

タイプ1:月間の労働時間で辻褄を合わせる

タイプ1は月間の勤務時間で辻褄を合わせるものです。
フリーランスエンジニアは、準委任契約を結んでいることが大半です。この準委任契約の場合、月間の労働時間を定めて契約をします。例えば「月間160時間」などと定めて契約を結ぶのです。
準委任契約の場合、労働するタイミングの制限はできません。つまり、1日休みを取って他の日で長く働いたとしても、クライアント側は文句を言えないのです。例えば8時間ずつ20日働いたとしても10時間ずつ16日働いたとしても、どちらの働き方でも問題はありません。契約によっては多少制限が定められていることもありますが、概ね上記のような理解で問題ありません。
これが意味することは、仮に1日休みをとっても報酬は変わらないということです。他の日で労働時間の辻褄を合わせれば良いため、休んだぶんだけ長く働けば問題ありません。
このように労働時間の辻褄を合わせられることを踏まえると、フリーランスエンジニアにも有給はあると考えられます。実際に有給の制度があるわけではありませんが、休みをとっても大きく報酬は変わりません。
ただ、実際の有給は勤務時間の埋め合わせをする必要がありません。例えば残業代は有給を取得していようとも支払額が変動しません。有給を取得しているからといって差し引かれることはないのです。そのように考えると、フリーランスエンジニアは休んだ分だけ働かなければなりません。労働なく報酬が支払われるかどうかの観点では、準委任契約であろうとも有給とはやや異なります。

タイプ2:成果報酬のため出勤の概念がない

タイプ2はそもそも勤務時間の概念が存在しないものです。
ある程度安定した仕事を受注しているフリーランスエンジニアは、準委任契約ではなく「請負契約」を結んでいます。こちらの契約の場合は、準委任契約のように労働時間の縛りがありません。契約した内容(例えば所定のアプリ開発)さえ完了していれば、「いつ・どれぐらい」働いていても関係ないのです。
こちらの契約の場合、クライアントは契約した内容の完遂だけを求めています。あらかじめ定めた納期までに、定めたものが納品されれば良いのです。場合によっては中間報告を求められますが、納期まで何も連絡がない場合もあります。
このような働き方であれば、いつどの程度休んでも報酬には影響がありません。休んでも納期と品質に影響が出ないのであれば、何も文句を言われないのです。
そもそも労働時間が管理されていませんので、有給とは少し異なった考え方です。ただ、休んでも報酬が変わらないという点で、こちらも有給と似たものだと考えられます。

フリーランスの休暇取得タイミング

フリーランスエンジニアは、どのタイミングで休暇を取得すれば良いのでしょうか。悩みやすい問題ですので、この点についてご説明します。

そもそも最低限の休みは決められている

準委任契約の場合、基本的な休みは定められているケースが大半です。クライアントのカレンダーに合わせて、土日祝などがあらかじめ休みに定められています。
フリーランスエンジニアは、「いつでも働けていつでも休める」とのイメージが強くあるようです。確かにクライアントによってはそのような働き方ができます。しかし、クライアント先などに常駐して仕事をする場合は、クライアントの予定に合わせるしかありません。例えば、事務所が閉まっていては仕事ができないのです。
クライアント側からしても、いつでも自由に働いてもらいたいわけではありません。セキュリティの都合から、決まった日に働いてもらいたいと考えるのです。そのような背景もあり、フリーランスエンジニアに対しても、基本的な休みは定められていることが大半です。

取得タイミングに制限はない

フリーランスエンジニアも取得タイミングに制限はありません。社員であれば有給取得は権利ですので、制限されないのは当たり前でしょう。フリーランスエンジニアは社員ではありませんが、同じくクライアントに制限されません。自分の好きなタイミングで休暇を取得できます。
ただ、次のようなタイミングは避けておいたほうが良いでしょう。チームメンバーなどに迷惑がかかる可能性があります。

  • アプリケーションのカットオーバー前
  • プロジェクトの大きな会議前
  • プロジェクトの引き継ぎ時期

もちろん、このタイミングに休暇を取得してはいけないルールはありません。どうしても休暇を取らなければならない際は、そのようにするしかないでしょう。
しかし、プライベートの予定などある程度融通が利くものもあるはずです。そのような予定であれば、プロジェクトなどへの影響を考え、休暇の取得タイミングを変更できないか検討してみる方が良いでしょう。

クライアントから指導を受けることはない

準委任契約であれば、クライアントから休みの取得タイミングについて指導を受けることはありません。ここについては介入してこない契約となっているのです。後から何かしらの文句を言われた場合は、クライアント側が契約違反をしている可能性があります。
フリーランスエンジニアの中には、「クライアントが何を言ってくるかわからない」との理由で休暇を取らない人がいます。確かにクライアント側からすると、仕事を依頼している以上、しっかりと働いてもらいたいでしょう。ただ、休みを取ってはいけないと定められる契約はありませんので、クライアントからの圧には屈せず、休みを取ってしまいましょう。

休みすぎると報酬が減る可能性があるため注意

準委任契約の場合は、上限時間と下限時間が定められています。月間の勤務時間がこの範囲内であれば、あらかじめ決められた報酬を得られるのです。
皆さんに注意してもらいたいのは、「下限時間」が定められていることです。こちらが定められている場合、あまり多くの休暇を取得してしまうと、下限時間を割り込んでしまいます。つまり、報酬を減額されてしまうのです。
クライアントにもよりますが、上限時間と下限時間は定時で働いた分のプラスマイナス20時間程度です。そのため、毎日定時に帰っていると3日間の休暇をとった段階で下限時間を割り込んでしまいます。つまり、報酬の減額につながってしまうのです。

フリーランスが休暇を取得する際のポイント


フリーランスが休暇を取得する時にはポイントがあります。これはフリーランスのみならず会社員であっても同様のものです。社会人として以下のポイントに注目をしておきましょう。

事前にスケジュールを調節しておく

事前にスケジュールを調節しておくことが重要です。可能な限り早く休暇の取得予定日をチームメンバーなどに伝えるようにしておきましょう。
体調不良や忌引などやむを得ずに休暇を取得しなければならない場合もあります。これについてはやむを得ない部分ですので、申し訳ないですがチームメンバーなどに可能な限りフォローをしてもらいましょう。日頃からフォローをしてもらえるように、作業の見える化などをしておくことが重要です。
ただ、プライベートな都合で休暇を取得する場合もあるでしょう。このような予定は事前に把握できていることが大半です。そのため、チームメンバーなどに迷惑をかけることがないように、休暇に向けたスケジュール調整が重要です。対応している案件の内容に左右される部分ではありますが、可能な限り2週間前には調節をしておきたいものです。

クライアントと連絡が取れるようにしておく

万が一に備えてクライアントと連絡を取れるようにしておきましょう。
基本的には休暇ですので、クライアントからの依頼に対応する必要はありません。そもそも準委任契約の場合は、クライアントからの指示に必ずしも従う必要はないのです。フリーランスらしく自分の裁量で働けます。
ただ、何かしら大きなトラブルが発生してしまった場合は、対応せざるを得ない可能性があります。「契約上すぐに対応する必要はない」と突っぱねることも可能ですが、翌日以降の出勤で自分に大きな負担がかかる可能性があります。
フリーランスエンジニアも休暇は取れますので、休暇を満喫しても構いません。ただ、万が一の状況に備えて、メールや電話には気付けるようにしておきましょう。

休暇中は仕事のことを考えなくてよいようにしておく

フリーランスエンジニアが休暇を取る場合、「オンとオフの切り替え」を重要視しましょう。
多くのフリーランスエンジニアは自分の裁量で働いていますので、オンとオフの切り替えがうまくできていないことも多々あります。帰宅してからも何かしら仕事の続きをするなど、プライベートの時間でも仕事が気になってしまう場合があるのです。
ただ、このように常に仕事に追われている状態では、心身が逼迫しパフォーマンスが下がってしまいます。余裕をもって仕事ができなくなってしまうのです。そのためフリーランスで休暇を取るのであれば、可能な限り仕事のことは考えなくて良いようにしましょう。休暇の理由にもよりますが、仕事を忘れてリフレッシュすることが重要です。

まとめ

フリーランスエンジニアは労働者ではありません。そのため、労働基準法に基づく有給は付与されない働き方です。
ただ、フリーランスエンジニアの契約形態を踏まえると、実質的には有給のようなものがあります。特に準委任契約では月間の労働時間が重要ですので、仮に休暇をとっても別の日で辻褄を合わせれば問題ありません。つまり、実質的には有給のような制度があります。
なお、フリーランスエンジニアも社会人の1人です。休暇を取得する際には、他のチームメンバーなどに迷惑をかけないよう意識しておきましょう。


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