メタバースとは|エンジニアに求められるスキルや今後の需要をチェック!

メタバースとは|エンジニアに求められるスキルや今後の需要をチェック!

近年、トレンドになっているキーワードがメタバースです。幅広い場所で利用されるようになっているため、皆さんもエンジニアとして耳にしたことがあるのではないでしょうか。

トレンドのキーワードではあるものの、メタバースについて正しく理解できていない人が多いのも事実です。今回はメタバースの意味からエンジニアとの関係性、求められるスキルや需要について幅広くご説明します。

メタバースの意味を正しく理解できていますか

メタバースは重要なキーワードではあるものの、その意味を正しく理解できていない人は多くいます。また、メタバースには広義のメタバースと狭義のメタバースがあるため、そちらについてもご説明していきます。

メタバースの本質は新しいものではない

メタバースはインターネット上に展開されている仮想空間を指します。つまり、メタバースの本質としては近年開発されたものではなく、メタバースという言葉が生まれる前から存在したのです。

ただ、概念が存在していただけで、メタバースの定義が明確に決定されていたわけではありません。メタバースの定義はいくつかの理論がありますが、現在は投資家のMatthewBell氏が提唱した以下7つの要件を持つものだとされています。

  • 永続的であること
  • 同期的であること
  • ユーザ数が無制限であること
  • 経済機能があること
  • デジタル世界と実世界がつながること
  • アクセス性が良いこと
  • 没入体験ができること

こちらがメタバースの定義ではありますが、現時点ではすべてを満たしていないものも多く存在します。あくまでも理論的な考えであり、「満たしていなければメタバースと呼べない」という状況ではないのです。これから要件がさらにシビアになり、メタバースに該当するものとそうではないものが生まれるでしょう。

広義のメタバースとは

広義のメタバースとは「インターネット上に自分の分身(アバター)を作り、活動できる空間」を指します。パソコンやスマートフォンなどインターネットに接続できる機器を利用し、特定の空間内で自分の分身を作るのです。そして、分身を作るだけではなく活動できる環境であればメタバースと呼びます。

このような「広義のメタバース」の代表例がオンラインゲームです。オンラインゲームの中でも3Dアバターに対応しているものならば、インターネット空間上に自分の分身を生み出せます。そして、この分身を利用して他者と交流するなどさまざまな活動ができるため、メタバースと呼べるのです。

つまり、広義のメタバースでは、本人が「メタバースを利用している」と気づかない状況が起こり得ます。本人は楽しくオンラインゲームで遊んでいるだけでも、それはメタバース空間と呼べる可能性があるのです。

狭義のメタバースとは

狭義のメタバースとは「VRゴーグルを利用して体験する空間」を指します。近年は安価なものから高価なものまで数多くのVRゴーグルが発売されていて、これを利用してもメタバースに接続可能です。単純に画面を見るのではなく、VRゴーグルを通じて仮想空間に入る場合のみをメタバースと呼ぶのです。

こちらのメタバースはゴーグルを利用しているため、画面を見るだけよりもより仮想空間に没頭できます。VRは「その場に自分がいるかのような体験」を提供してくれるものであるため、実際にその空間にいるかのように感じられるのです。この点は広義のメタバースと大きく異なります。

ただ、このようにメタバースは発展途上で、まだまだ普及していない状況です。エンジニアが積極的に求められるのは、もう少し先の未来かもしれません。

メタバースのエンジニアに求められるスキル


メタバースのエンジニアには多くのスキルが求められます。ただ、まだまだ発展している分野であるため、どのようなスキルが必要だとは言い切れないのも事実です。今回は現時点でメタバースのエンジニアに求められているスキルをご紹介します。

各種プログラミング言語

メタバースの実装には様々なプログラミング言語が利用されます。主要なプログラミング言語についてのスキルがなければ、メタバースを開発するエンジニアとしての活躍は不可能です。

メタバースのエンジニアには複数のプログラミング言語が求められます。その中でも特に利用されるものをピックアップすると以下のとおりです。

  • C#
  • C++
  • JavaScript
  • Python
  • Solidity
  • Rust

メタバースのエンジニアを目指すならば、これらのプログラミング言語を習得しておきましょう。他のプログラミング言語に精通していても、メタバースに対応していないプログラミング言語では意味がありません。適したプログラミング言語が存在することを理解し、そのプログラミング言語のスキルを習得するようにすべきです。

3Dフレームワーク

メタバースは3Dとの関係性が強いテクノロジーが利用されています。そのためメタバースのエンジニアとして活躍するためには、これらの3Dモデリングに関するプログラミングスキルも習得しておかなければなりません。

3Dモデリングに関するプログラミング言語はいくつかありますが、一般的にはフレームワークが利用されています。例えば以下のようなフレームワークを利用して、3Dモデリングは実装されています。

  • Unity
  • UnrealEngine

これら以外にもフレームワークは存在していますが、実質的にはほとんどこれらのフレームワーク以外は利用されていません。そのため、メタバースのエンジニアとして活躍するならば、これらのフレームワークを習得しておけば十分でしょう。これから新しいフレームワークが公開され、利用されるようになれば、その時に新しく習得すれば良いだけです。

なお、上記のフレームワークを比較するとUnrealEngineのほうが高性能といえます。視覚要素を重視するVRの開発ならばUnrealEngineを選択したほうが良いかもしれません。ただ、こちらは機能数が多く学習コストが高い点を考慮に入れる必要があります。

スマートフォンアプリ開発

メタバースのアプリケーションはスマートフォンアプリで実装される場合が多々あります。現在は多くのアプリケーションにスマートフォン版が存在しているため、メタバースのアプリケーションにおいても、これを避けることはできません。

スマートフォンアプリの実装に必要なスキルはある程度固定されています。アプリケーションを動かすOSによって必要なスキルが変化しますが、一般的なアプリケーション開発と大差ありません。何かしらスマートフォンアプリの開発をした経験があれば、それがそのままメタバースのアプリ開発にも活かせるでしょう。

ただ、スマートフォンアプリの開発においても、3Dフレームワークの活用が必要となります。メタバースには必要不可欠な要素であるため、この点はスキルを習得するしかありません。今までに3Dフレームワークを利用したスマートフォンアプリ開発をしていないならば、この部分はスキルアップが必要です。

VRゴーグル

近年はVRゴーグルを利用してメタバース空間にアクセスするケースが増えています。狭義のメタバースのようにゴーグルを利用した接続を前提としているサービスがあるため、エンジニアはこれについて理解しなければなりません。VRゴーグルの仕様はもちろん、VRの技術についても正しく認識しておく必要があります。

手元にVRゴーグルさえあればスキルの習得は難しくありません。VRの開発自体は上記でご説明した3Dモデリングのスキルがあれば対応できるため、これに追加のスキルを習得するだけです。今まではパソコンの画面で閲覧していた世界を、VRゴーグルを通じて閲覧できるようにします。

なお、注意点としてVRゴーグルを利用しての開発は負担がかかりやすいと考えられています。VRゴーグルをして体験できる世界が実世界と乖離しているため、脳に驚きを与えてしまうからです。そのため、VRゴーグルに関するスキルを高める際は、短期間で詰め込むのではなく余裕を持つようにしましょう。

クリエイティブ

やや曖昧なスキルにはなってしまいますが、メタバースのエンジニアにはクリエイティブスキルが求められます。エンジニアは全体的にクリエイティブさが求められる傾向にありますが、メタバースのように新しいものを生み出すためにはさらなるクリエイティブさが必要です。

ただ、クリエイティブなスキルが必要とは言われても、具体的なスキルをイメージしにくいのも事実です。クリエイティブさには多くの観点があり「新しい機能」「斬新なデザイン」「面白い体験」などが考えられます。どれも学習などで習得するのは難しく、経験やセンスに依存する部分はあるでしょう。

ただ、そのようなクリエイティブさも論理的に証明できる場合は多々あります。例えば「人間が認知しやすい配色」「統計的に興味を示しやすいコンテンツ」「課金されやすいコンテンツ」などが挙げられます。センスは必要となるものの、これらに関するスキルを習得していれば、クリエイティブスキルに繋げられるでしょう。

メタバースのエンジニアのこれから


メタバースのエンジニアにどのようなスキルが求められるのかご説明しました。現時点でのスキルセットについてイメージを持ってもらえたのではないでしょうか。続いてはメタバースのエンジニアがこれからどうなると考えられるのかについてもご説明します。

メタバースブームと共に需要が高まる

現在はメタバースブームが加速しています。このようなブームが続いているため、エンジニアの需要が高まっている状況です。今まで以上にメタバースが広がってきていることを踏まえると、エンジニアの需要はさらに高まると考えられます。

ただ、メタバースエンジニアとして活躍している人はまだまだ限られています。現在広がりを見せている過程であるため、メタバースエンジニアを名乗る人は少ないのです。ゲームエンジニアなどメタバースに応用できるスキルを保有している人が、メタバースエンジニアとして働いています。

これからはメタバースの開発をするために、メタバースを専門とするエンジニアの需要が高まるでしょう。ゲームエンジニアなどとの境界は曖昧な部分がありますが、独自のエンジニアとして需要があるはずです。

必要なスキルは日々変化

まだまだ発展途上の分野ということもあり、必要なスキルは固定されていません。技術の進化とともに、メタバースのエンジニアは新しいスキルの習得が求められています。現時点でのスキルを習得するだけではなく、新しいスキルも習得しなければ長くは活躍できないでしょう。

これからどのようなスキルが必要になるかは明言できないため、メタバースのエンジニアは自分でキャッチアップする必要があります。各種メディアで情報を集めてスキルアップするのが無難でしょう。海外からの情報発信も多いため、これらにも目を通しておく必要があります。

特に、「Meta社」など海外にはメタバースに力を入れている会社が存在します。そのような会社が新しい技術を公開すれば、それがデファクトスタンダードになるかもしれません。日本国内で取り残されることなく、世界に目を向けましょう。

まとめ

メタバースとメタバースを開発するエンジニアについてご説明しました。最近よく耳にするキーワードではあるものの理解できていなかった人は、この記事でメタバースの概要を掴んでもらえたのではないでしょうか。また、メタバースのエンジニアには何が求められているのかについてもイメージしてもらえたでしょう。

皆さんも感じていると思われますが、メタバースはまだまだ発展途上にあります。エンジニアに求められるスキルは現時点と大きく変化するかもしれません。言い換えると新しいスキルをいち早くキャッチできれば、最新のスキルを持つメタバースのエンジニアとして活躍できます。周りのエンジニアに取り残されることなく、最新のスキルを得てメタバースのエンジニアとして活躍を目指しましょう。

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admin