【2023年版】ITエンジニアのリモートワーク事情

【2023年版】ITエンジニアのリモートワーク事情

IT業界はDXなどが進んでいることもあり、働き方改革や新型コロナウイルスの影響でリモートワークが加速しました。多くの企業でリモートワークが採用され、どうしても出社しなければ対応できない業務だけ出社しての対応となったのです。ITエンジニアの皆さんは同様の環境で働いてきたのではないでしょうか。

ただ、新型コロナウイルスの影響が少なくなってきたことなどから、リモートワーク事情は変化しています。今回はITエンジニアに注目して、リモートワーク事情がどのように変化しているのかを解説します。

IT業界のリモートワーク事情

まずはITエンジニアが活躍する場である、IT業界のリモートワーク事情について理解していきましょう。

多くの企業はリモートワークを継続

ITエンジニアを多く抱えているIT企業は基本的にリモートワークを継続しています。最初からITインフラが整っている企業が多いため、働き方改革の一環でリモートワークを継続してるのです。新型コロナウイルスを取り巻く状況の変化によって制度も変化していることがありますが、概ね継続していると考えて差し支えありません。

また、ITエンジニアのフリーランスが増えだした頃から「エンジニアの仕事はリモートワークでも差し支えない」との印象が強まっています。世の中的にそのような考え方が当たり前になってきたため、リモートワークを認めざるを得ない状況なのです。

なお、システムの運用など、どうしてもリモートワークが難しい仕事もあります。ITエンジニアの中でもこのような仕事を担当する人は、そもそもリモートワークになっておらず、現在でも同じような働き方です。

ITエンジニアのリモートワーク頻度

リモートワークが導入されているITエンジニアは週3回から週5回程度がリモートです。完全にリモートワークを採用している企業もあれば、部分的にリモートワークを採用している企業もあります。大手のIT企業でも併用している状況であり、企業の考え方に左右されるのでしょう。

なお、リモートワークを採用している企業の多くは必要時以外はリモートワークを推奨しています。つまり、基本的には週5回のリモートワークなのです。新型コロナウイルスの影響などが少なくなっても、ITエンジニアのリモートワーク頻度は多いと考えられます。

出社かリモートワークのどちらか

リモートワークが導入されている企業は、全体的にリモートワークが採用されています。ITエンジニアだけではなく、その他の部門においてもリモートワークなのです。

それに対して、ITエンジニアがリモートワークではない企業は、全体的に出社しています。ITエンジニアが優遇されるのではなく、公平に出社するのです。リモートで対応できる業務も出社しなければなりません。

リモートワークが良いかどうかは一概に判断できない事項です。数年間のリモートワークを通じて、どちらかに注力する企業が増えてきました。

ITエンジニアへを取り巻くリモートワークの変化


ITエンジニアはリモートワークで働ける時代になっていますが、ここ数年で状況は大きく変化しています。続いては、現在につながるリモートワーク事情の変化について解説します。

IT系超大手企業でのリモートワーク廃止

IT系の大手企業ではリモートワークが導入されていましたが、世界情勢の変化によって廃止されたところもあります。具体的にどの企業で廃止されてしまったのかの事例は以下のとおりです。

Google

IT業界の中でも超大手企業といえばGoogleです。ITエンジニアを多く抱え、幅広いサービスを開発していることは皆さん理解されているでしょう。Googleはリモートワークが推進されているイメージがあるかもしれませんが、実はリモートワークが減少している企業です。

完全に制度が廃止されたわけではありませんが、2022年4月からすでに週3回は出社することが推奨されています。部分的にリモートワークが可能ではあるものの、出社する頻度を高めるように指示されているのです。このGoogleの方針変更は他のIT企業にも大きな影響を与え、ITエンジニアのリモートワーク事情にも影響しました。

Apple

Googleと同じく超大手企業といえるのがAppleです。こちらについてもITエンジニアを多く抱えていますが、現時点では出社を推奨するようになっています。週3回程度の出社とはなっていますが、リモートワークだけではなくなったのです。

ただ、Appleはそもそも完全に出社するスタイルではなく、リモートワークと出社を併用できる仕組みでした。そのため、働き方の変化を踏まえて週3回になったのではなく、元に戻ったと考えて良いでしょう。この点はGoogleと少々異なっています。

また、Appleは働き方を元に戻すと発表してから、実際に戻るまでに長い時間を要しました。これは内部でも方針を決めかねているのではないかと推測されます。Googleの方針を踏まえたともいわれており、超大手企業は周りと歩調を合わせる様子が見受けられます

今後も少しずつ廃止される可能性

現時点ではリモートワークを続けるか廃止したかのどちらかに偏っています。リモートワークを続けている企業のITエンジニアは安定したリモートワークを続けられるでしょう。

ただ、新型コロナウイルスは2023年5月から格付けが下がり、流行性のウイルスとして扱われることが決定されています。このような変化は、リモートワーク事情にも影響を与えるかもしれません。リモートワークを続けている企業でも、いきなり制度が廃止になる可能性はあるでしょう

働き方改革の一環としてリモートワークに取り組んでいるならば、今後も継続すると考えられます。しかし、新型コロナウイルスだけを主眼においている制度ならば、これから何かしら変化することも念頭に入れておくべきです。

数年の経験から得られたリモートワークのメリット


リモートワークがここ数年で普及してきたことによって、具体的なリモートワークのメリットがみえてきました。続いてはどのようなメリットを感じられるようになったのかについて解説します。

出社時間の短縮

リモートワーク最大のメリットは、通勤時間が短縮されることでしょう。オフィス勤務の場合は、通勤にかかる時間やコストが大きな問題ですが、リモートワークならば自宅やカフェなどで作業できます。移動が発生しない、もしくは短縮されることによって、出社までの時間も短縮されるのです。

出社時間は現在の日本において大きな課題となっています。例えば、首都圏は家賃の都合などから周辺地域に住む人が多く、通勤に時間を要してしまうのです。この問題をリモートワークならば素早く解決できることは大きなメリットといえます。

ライフワークバランスの向上

ライフワークバランスの向上もリモートワークのメリットです。オフィスまで出勤する必要があると、通勤時間などが影響して、プライベートの時間が犠牲になる可能性がありますが、リモートワークではその状況を避けられます。自宅ではなく近隣で仕事する場合でも移動時間は短いでしょう。

移動時間が短くなると、家庭や趣味、健康管理などに充てる時間が増やせます。結果として、仕事以外に割ける時間が長くなり、ライフワークバランスの改善につながるのです。また、フレキシブルな働き方が実現できるようになるため、家庭や子育てなどと両立しやすいこともメリットに含まれます。

加えて、別の観点ではリモートワークによる、ストレスの減少もメリットとして考えられます。出社による負荷が減ることで、健康面や精神面の改善につながると考えられるのです。物理的な時間はもちろん、精神的な負担の面でもライフワークバランスの向上が期待できます。

IT化の推進

リモートワークは、ITエンジニアにとって今まで以上にIT化が進む要因となりました。例えば、全社的に社外からアクセスできる仕組みが「DX」として導入されたことで、働き方が改善されたのです。今までこのような設備投資が進められていなかった企業でも、IT化が推進されITエンジニアはより働きやすくなりました

例えば、IT系の企業でも、オフィス勤務では紙ベースの書類やファイルのやり取りなど「アナログな業務」が多く見られました。エンジニアは新しい技術を扱っているにもかかわらず、自社の業務は改善されていなかったのです。これらはリモートワークで必然的にデジタル化されました。

また、リモートワークにはTeamsやZoomなどコミュニケーションツールやクラウドサービスなどが必須です。このようなツールを導入していなかった企業においても、リモートワークをきっかけに導入されることが増えました。これらは例ですが、リモートワークをきっかけにIT化が推進され、働きやすくなったことがメリットです。

数年の経験によって判明したリモートワークのデメリット


上記で説明したとおり、リモートワークにはメリットがありますが、デメリットも回避できません。メリットとあわせてデメリットについても理解を深めましょう。

手軽なコミュニケーションの減少

手軽なコミュニケーションが減少してしまうことは大きなデメリットです。オフィスで働いている場合、同僚や上司とのコミュニケーションが自然と生まれます。

しかし、リモートワークでは対面でのコミュニケーションが難しく、コミュニケーションツールを利用する必要があります。下記でも触れますがミュニケーションツールは会話するまでに手間が生じるため、結果として利用されなくなるのです。つまり、手軽なコミュニケーションそのものが減少してしまいます。

ITエンジニアは一人で作業できることも多いですが、コミュニケーションの減少はモチベーションの低下につながりかねません。「むしろメリットである」と感じる人も一定数いるかもしれませんが、全体としてはデメリットでしょう。

打ち合わせセッティングの手間

リモートワークのデメリットとして、簡単な打ち合わせでもセッティングが必要になることが挙げられます。出社していれば関係者に声をかけてすぐに会話できる内容でも、ツールで予約してその時間に接続しなければなりません。

ツールを利用して打ち合わせをセッティングするため、操作の手間が発生します。ちょっとした作業かもしれませんが、出社して声をかけることに比べるとデメリットです。

また、余裕を持って打ち合わせをセッティングするため、時間に無駄が生じてしまいます。すぐに必要な会話を始められないことも手間でありデメリットといえるでしょう。

セキュリティの低下

幅広い場所で業務ができるようになり、セキュリティの低下が懸念されています。状況によっては企業秘密が流出しかねないことがデメリットです。

まず、場所を問わず仕事ができることで、誰かしらに見られる可能性が高まりました。例えばカフェで作業すると、後ろを通った人に画面を見られてしまうのです。これによって企業秘密が流出してしまうかもしれません。

また、フリーWi-Fiを使ってネットワークに接続することで、盗聴のリスクが高まりました。悪意を持った人がネットワークを提供していることがあり、そこに接続してしまうと情報を抜き取られるのです。このような危険性もリモートワークのデメリットといえます。

ただ、これらは働き方の問題で、リモートワークのデメリットではないとの考え方もあります。例えば、自宅だけでリモートワークすれば問題が起こらないのです。ITエンジニアはパソコンだけで仕事ができるからこそ、コンプライアンスやリテラシーの向上が重要視されるようになりました。

まとめ

ITエンジニアのリモートワークについて解説しました。最近は新型コロナウイルスの影響が少なくなってきたことから、リモートワークを見直す動きがあります。ただ、ITエンジニアについては以前と同様にリモートワークが続いている状況です。これからもこの状況は大きく変化しないでしょう。

しかし、数年間リモートワークを続けてきたことで、メリットだけではなくデメリットも明らかになりました。例えば気軽なコミュニケーションが取りにくくなってしまったのです。そのような問題点も加味しながら、ITエンジニアはこれからのリモートワーク事情に対応しなければなりません。

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admin