フリーランス向けのチャットツール|用途別のおすすめと選び方
フリーランスは業務でチャットツールを利用する機会が多々あります。最近はメールではなくチャットツールでのやり取りが主流になっていますので、フリーランスはトレンドに合わせなければなりません。
それでは具体的にどのようなチャットツールを利用すれば良いのでしょうか。数多くあるチャットツールの中から、フリーランスが置かれている状況に合わせたものをご紹介します。
フリーランス向けのおすすめチャットツール5選
フリーランスに利用してもらいたい、おすすめのチャットツールは5種類あります。それぞれを順番にご説明します。
王道のチャットツール:Chatwork
概要
Chatworkはフリーランスが利用するチャットツールの中でも王道のものです。日本の企業で多く利用されているチャットツールですので、フリーランスは導入しておいて損はないでしょう。むしろ多くのクライアントとやり取りすることを想定すれば、フリーランスが導入しておくべきチャットツールです。
Chatworkの機能面は比較的シンプルなもので、1対1でのチャットとグループチャットに対応しています。自分しか確認できない「マイチャット」機能もありますので、他人とのチャットだけではなく自分のメモとしても利用できます。
また、Chatworkはチャット上でタスクの管理ができます。タスクの内容と期限日の設定ができますので、何かしら期日を決めて対応しなければならない事柄もチャットツール上での共有が可能です。
料金
Chatworkの料金は以下の4種類が用意されています。
- フリー
- パーソナル
- ビジネス
- エンタープライズ
Chatworkをフリーランスが利用する場合は、基本的にフリーから始めると良いでしょう。無料のプランで最大で累計7個のグループチャット(1対1を含む)に参加できます。ストレージの容量は5GBに制限されています。
こちらの上限に達してしまった場合は、月額400円のパーソナルに切り替えるしかありません。こちらはグループチャットへの参加上限がありませんので、フリーランスでクライアント数が増えてきた際に利用するプランです。
多くのクライアントに対応:Slack
概要
Slackは世界的なチャットツールの代表格で、2013年にアメリカでリリースされて以降、非常に多くの人が利用しています。「ワークスペース」と呼ばれる空間に参加し、そこから「チャンネル」と呼ばれる小さな空間を作成してそちらでチャットをします。
Slackの特徴として、参加するワークスペースごとに名前を変えられることが挙げられます。多くのチャットツールは1つのアカウントで同じ表示名となりますが、Slackであればこの問題を解決できます。
例えば参加するプロジェクトによって表示名のルールが定められていたとします。Aプロジェクトでは「苗字のみ」、Bプロジェクトでは「フルネーム」だとしましょう。このような時に他のチャットツールでは、最悪アカウントを複数用意しなければなりません。しかし、Slackならその必要はなく、同じアカウントで自由に表示名を変更できるのです。
料金
Slackの料金は以下の3種類が用意されています。
- フリー
- スタンダード
- プラス
注目しておきたいのは、Slackの料金はワークスペースの管理者が支払うということです。基本的にはクライアントがSlackを利用しているところに、フリーランスが参加する状況になるはずです。つまり、自分がワークスペースの管理者となり料金を支払う可能性は低いということです。
もちろん、何かしらの理由でフリーランスでもワークスペースの管理者になる必要があるかもしれません。その場合は可能であればフリープランを利用し、それ以上のプランが必要となる場合にはクライアントに費用交渉をするなどの対応をしても良いでしょう。
Microsoft製品の利用者なら:Teams
概要
TeamsはMicrosoftが開発するチャットツールです。Teamsはチャットツールとしても利用できますが、画面共有ができますので、プレゼンテーションやビデオ会議にも利用しやすいことが特徴です。また、現在はMicrosoftの製品群に含まれていますので、他のMicrosoftの製品と連携したり、アカウントを共有できたりといったメリットがあります。
ただ、TeamsはMicrosoft製品との連携が簡単である点が大きなメリットで、チャットしか利用しない場合には少々機能が物足りない部分があります。基本的なチャットツールとしては特に気にならないはずですが、他のチャットツールと比較すると見劣りしてしまうでしょう。その点は事前に理解しておくべきです。
とはいえ、スケジュール管理をMicrosoft製品に統一できるなど、Teamsを利用するからこそのメリットはあります。また、クライアントによってはMicrosoft製品にこだわっている場合もありますので、そのようなケースに備えてフリーランスが用意しておきたいチャットツールだとも言えます。
料金
Teamsの料金は以下の3種類が用意されています。
- 無料
- ベーシック
- スタンダード
Teamsは無料プランでも参加者100人の会議が60分利用できます。そのため、フリーランスが会議の主催者になる場合でも、料金が発生する可能性は限られているでしょう。会議時間が長くなければ、無料プランでも十分に利用できます。
なお、ベーシックやスタンダードはTeamsを利用するだけの料金ではなく、Office365を利用するサブスクリプションの料金として提供されています。そのため、Teams以外にOneDriveなど別のサービスを利用する目的でサブスクリプションに加入していれば、Teamsも自然と制限なく利用できるようになります。
ビデオ通話がメイン:Zoom
概要
ZoomはWeb会議の機能を中心としたツールです。チャットツールとして提供されているものではなく、あくまでもビデオ通話やビデオ会議、画面共有が必要な会議をするためのツールとして提供されています。
ただ、実態としては必ずしもビデオ通話を利用する必要はありません。Web会議を開催すれば、その中でチャットだけ利用することも可能なのです。Zoomをチャットツールとして利用して、必要に応じてそのまま通話や画面共有をするような使い方も良いでしょう。本来の使い方とは異なりますが、このような使い方も考えられます。
とはいえ、Zoomを利用するならばビデオ通話や画面共有を中心としたほうが良いでしょう。フリーランスの中でも、画面共有をしながらプレゼンテーションをするような人向けのサービスなのです。その中でチャットもできると考えるのが無難です。
特にZoomはチャット利用でもWeb会議の時間制限に抵触してしまう可能性があります。無料プランの場合は40分しか利用できないのです。その点も踏まえ、チャットはできるもののビデオ通話が中心のフリーランス向けサービスだと言えます。
料金
Zoomの料金は以下の4種類が用意されています。
- 無料
- プロ
- ビジネス
- エンタープライズ
複数のプランが用意されていますが、Zoomに関しても料金を支払うのは会議の主催者となるアカウントを保有する人です。つまり、フリーランスが自ら会議の主催者とならない限りは、料金が発生する状況にはなりません。
しかも、Zoomは無料プランでも最大100人のグループミーティングが40分間利用できます。30分程度の気軽なミーティングであれば、無料プランの範囲で十分なのです。つまり、実質的には料金の発生しないチャットツールだと考えられます。
既読で状況を把握:LINEWORKS
概要
LINEWORKSは組織内や特定の団体に向けて提供されているサービスです。基本的には組織内で利用しますので、フリーランスはアカウントを発行してもらい、その組織の一員としてアカウントを利用する形となります。つまり、アカウントを借用する形となりますので、セキュリティ事故などを起こさないように特段の注意が必要です。
LINEWORKSの基本的な使い方としては、個人で利用する「LINE」と大きな差はありません。チャットツールとして文字を送り、相手が確認すれば「既読」が通知されます。他のチャットツールでは既読が通知されないものが多いですので、相手の状況を把握しやすいという点ではメリットがあります。
また、個人で利用するLINEと同様にLINEWORKSでも「ノート」「スケジュール管理」などが利用できます。プロジェクトごとにグループを作り、その中でノートを共有するような使い方ができます。1対1で利用するチャットツールではなく、フリーランスを含めたグループで利用するチャットツールだと考えるべきです。
料金
LINEWORKSの料金は以下の4種類が用意されています。
- フリー
- ライト
- ベーシック
- プレミアム
利用人数に応じてどのプランを選択するか変化します。フリープランの場合には100人まで利用できますので、小規模なプロジェクト用の環境であれば無料で利用できるでしょう。
また、それ以上の人数を利用する場合であっても、料金を支払うのは環境を提供する役割にある人です。つまり、チャットツールを提供するクライアントが料金を支払うことになるでしょう。フリーランスがライト以上のプランを必要とする場面はほとんど無いはずです。
フリーランスのチャットツールの選び方
フリーランスにおすすめのチャットツールをご紹介しました。既にご存知のものや利用しているものも含まれていたことでしょう。
ただ、これだけ数を絞ってもまだどれを利用すれば良いのか判断しにくいかもしれません。そのために以下ではチャットツールの選び方について解説します。
クライアントが利用しているか
フリーランスがチャットツールを利用する理由は、基本的にクライアントのコミュニケーションです。そのためクライアントが利用しているチャットツールを選択するのが良いでしょう。多くのクライアントが利用しているチャットツールは、アカウントを取得し環境を整えておいて損はありません。
例えば日本の企業ではChatworkが幅広く利用されています。基本のアカウント作成は無料ですので、まずはアカウントを作成し環境を整えておくことをおすすめします。
また、日本のみならず世界中の企業ではSlackが活用されています。こちらについてもアカウント自体は無料で発行できますので、アカウントを作成しアプリをインストールするなどの環境を整えておくと良いでしょう。
基本的にはクライアントの環境に合わせるのが一番です。まれに珍しいチャットツールを利用している場合はありますが、概ねここでご紹介したような王道のツールを利用しているはずです。
月額料金はいくらか
チャットツールは利用するものや契約するプランによって料金が発生します。そのため発生する料金については意識しておかなければなりません。
基本的には最低限のチャットツールを利用できるプランで良いでしょう。無料で利用できるのであれば無料プランで良いですし、課金が必要なのであれば最小限に抑えられるものをおすすめします。複数のプランがある場合は必要以上に高いものを選択しないようにしましょう。
フリーランスに高額なプランが必要ない理由は、そのようなプランで提供されている機能を活用しきれないからです。チャットツールの高額なプランは企業で利用することを想定しているものが多く、フリーランスには必要ないものが多々あります。そのようなものにあまりお金をかけても意味がないのです。
なお、チャットツールに発生する料金は経費に含まれます。確定申告の際に売上から差し引けますので、無駄な出費というわけではありません。
まとめ
今の時代チャットツールは仕事に欠かせないものです。会社員もフリーランスもチャットツールを導入して仕事をする時代になっています。
ただ、チャットツールには多くの種類がありますので、自分の好き勝手に導入して良いわけではありません。需要の高いチャットツールを選択するなど、適切なものを選択しなければならないのです。
クライアントの方針によってどのチャットツールを利用するかは異なります。フリーランスの場合は可能な限りクライアントに合わせるようにしてチャットツールを選ぶと良いでしょう。