フリーランスエンジニアの需要が高まっている理由とは?

フリーランスエンジニアの需要が高まっている理由とは?

世の中的にフリーランスエンジニアの需要は急激に高まっています。以前はフリーランスエンジニアとの取引を嫌う企業が多く見られましたが、現在は状況が大きく異なっているのです。積極的にフリーランスエンジニアを参画させる企業も増えてきました。

ただ、急激にフリーランスの需要が高まったため「なぜ需要が高まっているのか」と疑問を持つ人もいるでしょう。今回はフリーランスエンジニアがなぜ求められるようになっているのか解説します。

エンジニアやフリーランスの需要状況

フリーランスエンジニアの需要について理解するにあたって、エンジニア全体の需要を理解する必要があります。エンジニアの需要についてはいくつもの資料が公開されているため、それらを踏まえて解説します。

IT人材白書ではエンジニアが不足している

独立行政法人情報処理推進機構のIT人材白書によると、エンジニアの数は現在でも不足しています。数年前から「社内のIT人材が不足している」と回答する企業が多くありましたが、現在でもその状況は改善されていません。十分なエンジニアが確保できず、社内のIT化に歯止めがかかっている状況なのです。

ただ、こちらの調査はエンジニア全般についてのものであり、フリーランスエンジニアに特化した話ではありません。そのため、フリーランスエンジニアの需要が高まっていることと、IT人材の不足に関係があると言い切れないのは事実です。ただ、IT人材が不足していることはフリーランスエンジニアの需要に影響していると表現しても差し支えないでしょう。

エージェントの案件数も増加している

フリーランス向けの案件を取り扱う求人サイトなどを参照してみると、案件数は年々増加しています。ここ数年でも多くの案件を抱える状況となっていて、求人の絶対数は増えていると考えてよいでしょう。フリーランスエンジニアは確実に求められている状況です。

案件の数が多ければ、それだけフリーランスエンジニアとして活躍しやすくなります。自分に適した案件を見つけやすくなり、自分の強みを活かした仕事ができるでしょう。案件の数を踏まえると確実にフリーランスエンジニアの需要は高まっているのです。

フリーランスエンジニアの需要が急激に高まっている理由


上記で説明している通り、案件の数を踏まえるとフリーランスエンジニアの需要は高まっています。続いてはこのようにフリーランスエンジニアの需要が高まっている理由について解説します。

急激なIT化の普及

急激にIT化が進んでいることでフリーランスエンジニアが求められている状況です。IT化に対応するための人材が不足しているため、フリーランスエンジニアを活用するのです。

どのような企業においても、IT化を促進するにはエンジニアの確保が重要です。十分な知識とスキルを持った人材がいなければ、IT化はまず成功しません。そもそも、IT化に着手することが難しいでしょう。

このような時にクイックな活躍を見せてくれるのがフリーランスエンジニアです。特定の企業に属しているわけではないため、希望すれば多くのエンジニアと接触できます。正社員ではなくフリーランスエンジニアに参画してもらうことで、すぐにIT化が進められることが背景にはあるのです。

有能なエンジニアの不足

純粋に有能なエンジニアが不足していることも背景にあります。社内エンジニアがいるものの、求めるスキルに達していない場合はフリーランスエンジニアを活用するのです。幅広いスキルのフリーランスエンジニアがいるため、ハイレベルなエンジニアを簡単に確保できます。

また、ハイレベルなエンジニアは、フリーランスになってしまうことも理由としてあるでしょう。優秀な人材を社内で確保し続けられないために、フリーランスエンジニアを頼る状況となるのです。人材が流出した結果、フリーランスに行き着くというのも大きな理由として考えられます。

もちろん、極端に優秀なエンジニアだけが求められているわけではありません。幅広いレベルのフリーランスエンジニアが求められているため、そこは正しく認識しておきましょう。

社内で人材を雇用する負担

社内で人材を確保すると継続的な支出が発生します。これを回避するためにフリーランスエンジニアを活用する傾向があります。フリーランスエンジニアは準委任契約で一定期間だけ参画するケースが多く、継続的な支出にはならないからです。

最近は優秀なエンジニアを必要としている反面、IT予算には限界がある企業が見受けられます。エンジニアを確保するために予算を割くべきですが、これができない企業が多いのです。IT業界は単価の高まりを見せているため、ある程度はやむを得ない部分があります。

フリーランスエンジニアを一時的に活用すれば、このような予算面の課題はクリアできます。多くの予算を割けないため、一時的にエンジニアを確保しようとする企業が多く、これが需要の高まりにつながっているのです。

多様な働き方の浸透

多様な働き方が広がったことで、フリーランスエンジニアを受け入れる企業が増えたことが理由にあります。フリーランスのように企業に属さない働き方が当たり前になってきたため、受け入れないと案件を上手く処理できないのです。

上記でも触れた通り、一昔前はフリーランスを受け入れない企業がありました。会社員と比較すると信用力に欠けてしまうため受け入れない方針としていたのです。この考え方には一理あるため、一概に悪いとはいえません。

ただ、近年はフリーランスエンジニアが増え、そのような固定概念ではやっていけなくなりました。フリーランスも万が一に備えて保険に入るなど、状況が大きく変化したのです。このような時代の変化が背景にあり、フリーランスエンジニアの需要は急増しています。

フリーランスエンジニアの需要が特に高い4つの分野

フリーランスエンジニアは幅広く求められていますが、特に需要の高い分野があります。これからフリーランスエンジニアになりたいと考えているならば、以下の分野を中心に考えてみると良いでしょう。

機械学習・人工知能

機械学習や人工知能の分野でフリーランスエンジニアが求められています。エンジニア全体で求められている分野であり、フリーランスエンジニアについても漏れなく求められている状況です。

特に人工知能は幅広い分野で活用されるようになっているため、エンジニアの需要が急増しています。ここ数年でエンジニアの数は増加していますが、まだまだ需要に追い付いていない状況です。社員としての確保は難しい分野であるため、フリーランスエンジニアで対応できる人の需要が急増しています。

ただ、人工知能は進化の激しい分野であり、求められるスキルも日々変化しています。フリーランスエンジニアとして需要に応えたいならば、常に最新のスキルを追いかけなければなりません。フリーランスエンジニアであるかどうかにかかわらず負担のかかりやすい職種であるため、その点は注意しておきましょう。

クラウド

クラウド関連のエンジニアも需要が急増しています。AWSやAzureなどパブリッククラウドを扱えるフリーランスエンジニアの需要が高いと考えましょう。

需要が高まっている理由は単純で、システムのクラウド化が急激に進んでいるからです。オンプレミスで構築していたシステムをクラウド化するなど、時代はクラウドに移行しています。日本のみならず世界的にクラウド化の波がきているため、対応できるエンジニアの需要が非常に高いのです。

また、クラウドサービスは常に進化していることから、定期的な修正が求められます。構築するだけではなくカスタマイズも必要となることから、加速度的に需要が高まっているのです。これからさらにクラウドを導入する企業が増えれば、フリーランスエンジニアの需要もさらに高まるでしょう。

ただ、新規に構築する案件とカスタマイズの案件では単価に差があります。需要が増加していることは間違いありませんが、稼ぎたいと考えるならば参画する案件を選ばなければなりません。

セキュリティ

セキュリティに強いフリーランスエンジニアも求められています。サイバー攻撃が多発していることからセキュリティの向上は必須であり、多くの人材が求められている状況です。

今までもセキュリティの重要性は説かれていましたが、ここ数年はサイバー攻撃が急増しています。そのため、今まで以上にセキュリティ関連のエンジニアが求められているのです。今までは大きく予算を割いていなかった企業でも、セキュリティ関連に予算を割くようになりました。

なお、セキュリティ関連は求められるスキルレベルが高く非常に重要なポジションであるため、単価が高い傾向にあります。十分なスキルを習得してセキュリティエンジニアとして活躍できれば、フリーランスの中でも高い収入が期待できるでしょう。

IoT

新しいデバイスの活用としてIoTが注目されています。一般家庭にもIoT家電などが導入される時代であり、生活の一部となってきました。日本中でIoTが広がってきたことで、スキルを有するフリーランスエンジニアの需要が高まっています

IoTは他のエンジニアと少々毛色が異なり、デバイスを扱わなければなりません。そのため、他のエンジニアでの対応が難しく、専門知識を有するエンジニアが必要とされています。まだまだエンジニアが不足している状況であり、フリーランスエンジニアに対しても多くの案件が出されているのです。

ただ、現在はIoTの分野が盛んですが、どの程度需要が続くかは未知数です。新しいデバイスの登場などとともに状況が変化するかもしれません。その点を考慮してIoTの分野を極めるか考えるべきです。

フリーランスエンジニアとしての価値を高めるためにやるべきこと3つのこと


フリーランスエンジニアは一様に需要が高いのかと問われるとそうではありません。一定の条件下で需要が高い状況です。フリーランスエンジニアとしての価値を高め、需要に応えるために、皆さんがやるべきことを解説します。

最新のスキルを習得する

可能な限り最新のスキルを習得するように心がけましょう。フリーランスエンジニア向けの案件は新しいスキルが求められることが多く、取得していないと活躍の幅が制限されてしまいます

例えば、プログラマーは新しいフレームワークを習得すべきです。トレンドの変化に対応できないと、参画できる案件が少なくなるかもしれません。幅広いスキルを習得することは負担が大きいですが、ある程度やり切るしかないのです。

ただ、新しいスキルだけが求められるのかと問われるとそうではありません。トレンドが過ぎたスキルを必要とする案件も多数あります。とはいえ、総合的に見ると新しいスキルが必要とされやすいため、ここに力を入れるべきです。

複数のスキルを深める

複数のスキルを習得することで幅広い需要に応えられるようになります。フルスタックエンジニアが求められる時代でもあるため、自分の強みを二つ以上保有しておきましょう

もちろん、何かしら一つの分野に特化していてもフリーランスエンジニアとして活躍できます。例えば、プログラミング言語を極めたりクラウドサービスに深い知見を持つのです。このようなエンジニアが需要の中心ではあります。

ただ、フリーランスエンジニアとして活躍していると「〇〇は対応できないのか」などと問われることが多々あります。この時に対応できるかどうかで、仕事の幅を広げられるかどうかが変わってくるのです。

スキルを証明できる案件に参画する

自分自身の価値を高めるためにも、ある程度レベルの高い案件に参画しましょう。実績を積むまでは見境なく案件に参画することがありますが、なるべくスキルレベルに適した案件に参画すべきです。

求められるスキルの低い案件に参画すると、レベルの高いポートフォリオを作成できません。フリーランスエンジニアは実績が重要であるため、この状況は望ましくないのです。時間は有限であるため、効率よく実績を増やさなければなりません。

フリーランスエンジニアの需要が高いと言えども、実績がなければ案件の獲得は不可能です。実績を積むことを意識して、案件を選択しましょう。

まとめ

フリーランスエンジニアの需要は非常に高く、近年さらに増加しています。多くの企業がITに注力するようになり、エンジニアを中心とした人材が求められていることが背景にあるのです。

また、フリーランスエンジニアを活用することで、企業は継続的な人件費の支払いを回避できます。細かく求人が出されることも、フリーランスエンジニアの需要が高まっているように見える理由といえるでしょう。

ただし、エンジニア間には競合があるため、技術や経験を向上させることが重要です。また、良質なクライアントを獲得するためにも、自分自身のスキルアップも求められます。

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admin