メタバースエンジニアとは?仕事内容や必要なスキルを徹底解説!

メタバースエンジニアとは?仕事内容や必要なスキルを徹底解説!

メタバースの需要が高まったことにより、これを開発するメタバースエンジニアの需要が高まってきています。エンジニアの世界は細分化されているため、メタバースに関するエンジニアは、独立したものとして認知されるようになったのです。今までは、独立したエンジニアではありませんでしたが、状況は変化しつつあります。

新しいエンジニアということもあり、メタバースエンジニアについて、理解が広まっている状況ではありません。細分化されているために、理解が追いついていないのです。今回は、メタバースエンジニアについて必要な情報をまとめて解説します。

そもそもメタバースとは

メタバースは、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、3Dホログラフィック・アバター、ビデオ会議などの技術を活用した、インタラクティブな3D仮想環境です。「現実世界を超越した新しい次元のインターネット」と考えられ、ユーザーは「アバター」を通じて互いにコミュニケーションを取ったり、ゲームしたり、仕事したりできます。

また、メタバースの世界では、リアルタイムにコミュニケーションを取れるため、ユーザーは物理的な制限を超えた活動ができます。例えば、教育、エンターテイメント、各種会議などが仮想環境で実施できるようになったのです。また、メタバースはデジタル経済の一部でもあり、ユーザーは仮想商品やサービスを購入、販売できるようにもなっています。

メタバースエンジニアとは

メタバースエンジニアとは、上記で解説したメタバースの世界を実現するためのエンジニアです。多くの分野でメタバースが利用されるようになっているため、メタバースエンジニアという役割が確立されました。

エンジニアとしての作業内容は状況により異なりますが、メタバースに関する開発全体を担います。例えば、プラットフォームの開発や3Dデザインの開発、アプリケーションやサーバなどインフラストラクチャの設計まで対応するのです。メタバースは大規模な開発になりやすいため、それぞれに対して高いスキルが求められます。

ただ、メタバースエンジニアだからといって、すべての業務に対応するとは限りません。例えば、メタバースエンジニアの中でも、アプリケーションを専門にする人とインフラを専門にする人に分かれるのです。深いスキルが必要とはなりますが、幅広いスキルが必要になるとは限りません。

メタバースエンジニアの仕事内容


解説したように、メタバースエンジニアは、専門性に応じて細分化されることが大変です。具体的に、どのような内容で細分化されるのか理解していきましょう。

アプリケーション開発

基本的に、メタバースは専用のアプリケーション上で実行されます。例えば、パソコン用のアプリやスマートフォンアプリでメタバースにアクセスするのです。そのため、これらの開発に携わるエンジニアがいます。

一昔前は、パソコンからメタバースへアクセスすることが大半でした。そのため、アプリケーション開発を担当するメタバースエンジニアは、パソコン向けのアプリケーションを開発していたのです。しかし、現在はスマートフォンから利用する人が増えたため、スマートフォンアプリの開発も求められるようになっています。

また、最初からクロスプラットフォームで提供することを前提としたアプリも増えてきました。複数のプラットフォームで提供しないと、思うようにユーザーを獲得できないのです。結果、メタバースエンジニアの負担は、徐々に高まる傾向にあります。

インフラストラクチャ

メタバースを運用するためには、専用の環境を準備しなければなりません。インフラの構築からサーバーの設置、基本的な設定まで、メタバースエンジニアが幅広く対応します。

また、実際に運用するための環境だけではなく、開発環境などの手配もしなければなりません。メタバースは、大規模な開発となってしまうため、開発環境などの準備も複雑になってしまいます。時には、同じような作業を何度も実施しなければなりません。

なお、現在はメタバースのインフラとして、クラウドが利用される機会が増えています。そのため、メタバースエンジニアは、クラウドサービスを使いこなすことも求められるのです。

コンテンツ開発

メタバースの中では、様々なコンテンツが提供されます。例えば、ゲームが提供されたり音楽ライブが実施されたりするのです。これらに適した開発を実施しなければなりません。

言うまでもなく、ゲーム開発とメディアに関するコンテンツ開発は大きく異なったものです。そのため、同じくコンテンツ開発とはいえども、求められるスキルなどは大きく異なります。メタバースエンジニアの中でも、さらに細分化されると考えておくと良いでしょう。

3D/CG開発

状況によっては、メタバースエンジニアが3DやCGの開発に従事することがあります。これらの開発は、基本的にデザイナーなどの専門家が対応しますが、小規模な開発ではメタバースエンジニアが対応するかもしれません。

開発を担当する場合は、デザインの決定からツールを利用した実装までです。3Dの開発には専門的なツールが必要となる点については注意が必要です。

メタバースエンジニアに必要なスキル


続いては、メタバースエンジニアとして活躍するために、どのようなスキルや経験が必要となるのを解説します。

ゲーム開発

メタバースでは、ゲームやそれに類するコンテンツが提供される傾向にあります。つまり、これらの開発経験があれば、メタバース開発に落とし込めるのです。何かしらの経験があれば、役立ちやすいと考えて良いでしょう。

また、メタバースで利用される技術を踏まえると「Unity」のスキルや開発経験があれば良いと考えられます。様々なゲーム開発に利用されるフレームワークであり、これを扱えることで、メタバース開発でも多用されるものです。Unityを利用しないゲーム開発も多数ありますが、もし経験があればメタバースを開発しやすくなります。

ブロックチェーン

意外かもしれませんが、ブロックチェーンのスキルや経験が役立つことがあります。メタバース内で、通貨を発行したり支払いを実施したりすることがあるため、その時にブロックチェーンをベースとした仕組みが必要となるのです。

また、ブロックチェーンにはNFTと呼ばれる技術があり、これをメタバース内で利用することがあります。例えば、個人が提供する楽曲にNFTを付与して、コンテンツのコピーを防ぐのです。メタバースの種類によりますが、ブロックチェーンは相性の良い技術であり、利用される機会が増えています。

各種プログラミング言語

メタバースエンジニアは、様々な実装にプログラミング言語スキルが必要です。実装する対象によって必要となる言語は異なりますが、主に以下のプログラミング言語が求められます。

C#

C#はMicrosoft社が開発した主にWindowsで利用されるプログラミング言語です。ただ、近年はWindows以外にもMacOSやAndroid、iOSなどでも利用されるようになっていて、メタバース開発でも利用されるようになりました。

主に、ゲームやそれに関連したユーザインタフェースの開発に利用されるもので、ゲーム開発の中では非常に利用者が多いものです。そのため、メタバース開発においても、C#の利用は馴染みの深いものであると考えられています。

C++

C++は基本的なプログラミング言語である「C言語」を拡張して開発された、非常に汎用性の高いプログラミング言語です。メタバースの開発に限らず、幅広い用途で利用されていて、素早く処理できることからメタバース開発でも好まれています。

実際、メタバースエンジニアの求人などを確認してみるとC++を条件としているものが大半です。汎用性が高く、メタバース開発で求められることが多いため、メタバースエンジニアには必須のスキルといっても良いでしょう。

JavaScript

JavaScriptは、メタバース開発においてARやVRなど視覚的な技術を実装する際に利用されます。そもそも、Web開発においてクライアントサイドの処理を実装するものですが、メタバース開発においてはその枠組を超えているのです。そのため、メタバースエンジニアに求められるJavaScriptのスキルは、Webエンジニアのそれとは異なると考えましょう。

また、クライアントサイドのプログラミングであることを活かし、ブロックチェーンなどの処理を実装することがあります。メタバースの世界では、さまざまな商取引が発生するため、これを下支えする技術もJavaScriptで実装するのです。

UI/UX

メタバースでは多角的な観点からUIやUXを設計する必要があります。メタバースエンジニアも、この設計に対応できるスキルを持っておくと良いでしょう。純粋なデザイン的なスキルだけではなく、UXのように「ユーザの体験を向上させる」という観点からもスキルを持つことが重要です。

なお、UIやUXは似ていることから、両方のスキルがまとめて求められるケースが多くあります。そのため、メタバースエンジニアにおいては、UXの理解を深めながらUIのスキルも持っておきましょう。

ただ、大規模な開発においては、UI/UXデザイナーとして専門家がアサインされるはずです。スキルとして持っておくと良いですが、実際に求められるかどうかは、プロジェクトの状況に大きく左右されると考えましょう。

メタバースエンジニアの将来性

最後に、これからメタバースエンジニアとして働きたい人に向けて、メタバースエンジニアの将来性について解説します。

メタバース市場は拡大中

現状、メタバースの市場は急速に拡大しています。総務省が発表している「令和4年度情報通信白書」を参照してみると、メタバースの市場規模は2021年時点で4兆2,640億円ですが、2030年には78兆8,705億円にまで急拡大するとの予想です。これだけ市場規模が拡大すれば、メタバースエンジニアの需要も高まることは間違い無いでしょう。

なお、これだけの市場拡大が予想されている背景としては、エンターテイメント業界での活用や、小売業界など幅広い業界での活用が予想されているためです。今まで、メタバースを採用していなかった業界が、メタバースへと参入することによって、市場がさらに拡大すると考えられています。

なお、短期的ではなく中期的にもメタバースは拡大すると考えられており、株式会社三菱総合研究所の調査では、2030年には約24兆円規模に拡大すると予想されています。これだけ大規模な市場になれば、今まで以上にメタバースエンジニアが求められるようになり、活躍の幅も大きく広がるでしょう。

参考①:総務省|令和4年版 情報通信白書|仮想空間市場など
参考②:CX2030:バーチャルテクノロジー活用の場としての広義のメタバース

メタバースが持つ課題も認識

プライバシーやセキュリティ、規制の問題など、メタバースには解決すべき課題が多く存在します。現時点では発展途上の概念であり、その将来は技術の進化や社会の受容度に大きく依存していると考えるべきです。そのため、メタバースエンジニアの需要や将来性は、社会の動きに大きく左右されてしまいます。

とはいえ、海外のMeta社をはじめとして、多くの企業がメタバースに参入している状況です。これにより、メタバースに関する課題も少しずつ解決されていくでしょう。現状では不安な要素がありますが、長い目で見ると活躍できる分野だと考えられます。

まとめ

メタバースエンジニアとは、どのような役割であるかについて解説しました。基本的にはメタバースの開発に関わるエンジニアですが、場合によってはUI/UXの開発やデザインに関わることもあるでしょう。そのため、プログラミング言語やフレームワークはもちろん、デザイン面のスキルも持っておくに越したことはありません。

なお、メタバースは発展途上の概念であり、これからどのような発展を遂げるかどうかは未知数です。メタバースエンジニアの需要は、発展状況によって大きく左右されますが、現状では将来性の明るい分野と予想されています。

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admin