WindowsとMacの二大OS、エンジニアが使うべきは?

WindowsとMacの二大OS、エンジニアが使うべきは?

世界的に利用されているOSとして、WindowsとMacの2種類があります。日本ではWindowsが幅広く採用されていますが、Macを好んで利用する人も多くどちらが良いとは 一概に言い切れない状況です。

エンジニアの世界においても同様で、WindowsとMacはどちらも活用されています。そして「WindowsとMacならばどちらが良いのか」という論争も後を絶ちません。今回はこれらの特徴から、エンジニアが使うべきはどちらのOSであるのか解説します。

エンジニア目線でのWindowsの特徴


最初にエンジニア目線でWindowsを評価するとどのようなメリットとデメリットがあるのか解説します。

多くのアプリケーションに対応できる

市場シェアが高いOSで、多くのアプリケーションがWindowsに対応しています。そのため、Windowsであれば開発に必要なアプリケーションを簡単にインストール可能です。また、アプリケーションの種類も豊富だと考えましょう。

加えて、Windowsは幅広いハードウェアに対応しているため、自作PCなどのカスタムPCでもアプリケーションを利用可能です。エンジニアの中には「自分が好む自作PCで開発したい」という人がいると考えられるため、そのような要望にも応えられます。

比較的安価なPCでWindowsが使える

多くのパソコンに搭載されていて、比較的安価な端末でもWindowsが使えます。また、Windows PCを自作する場合も、パーツの相性が比較的ゆるく、ハードウェアを選びやすいです。

エンジニアは複数のパソコンを利用することが多く、端末の価格は金銭的な負担を大きく左右します。高価な端末と安価な端末のどちらも確保できる点がエンジニアにとってのメリットです。

PowerShellなどのコマンドラインツールが使いやすい

WindowsにはPowerShellというコマンドラインツールが標準で用意されています。これにより、システム管理やスクリプト作成・実行などの作業が可能です。また、Windows Subsystem for Linux(WSL)を利用すると、Linux環境で動作するコマンドラインツールをWindows上で利用できます。

一般的にパソコンはGUIで利用されますが、エンジニアはCUIで利用することが多いはずです。Windowsにも十分なコマンドラインツールが用意されていて、これはエンジニアが使うべき理由となっています。

セキュリティの脆弱性が指摘されることがある

定期的にマルウェアなどWindowsの仕様に依存するセキュリティの脆弱性が指摘されます。そのため、定期的にWindowsのアップデートやウイルス対策ソフトを更新しなければなりません。

Macと比較するとWindowsは自由にアプリケーションをインストールできるため、セキュリティ上の問題が発生しやすくなっています。もちろん、Macでも脆弱性が見つかり対応が必要になることはありますが、Windowsのほうが手間がかかりやすいのです。

パフォーマンスが低いことがある

比較的低スペックのPCでも動作することがWindowsのメリットです。ただ、言い換えると、リソースを多く使うアプリケーションを開発する場合に、開発環境の性能が不十分となりかねません。「Windowsが動作する環境=開発に適した環境」とは言い切れないのです。

Macは十分なリソースを確保できる端末でのみ動作しているため、このような問題が発生しにくくなっています。エンジニアが求めるパフォーマンスが担保されない点はWindowsのデメリットです。

エンジニア目線でのMacの特徴


続いて、エンジニア目線でMacを評価するとどのようなメリットとデメリットがあるのか解説します。

シームレスな開発環境

MacにはXcodeなどの開発ツールが標準で用意されていて、シームレスな開発環境が提供されています。また、Unix系OSであるため、Linux環境との親和性が高い点が特徴です。Linux環境で動作するアプリケーションがMacでも動作する点はメリットといえるでしょう。

Windowsでも同じような開発はできますが、シームレスな開発とはいえません。開発環境が整っていることはMacの大きなメリットです。

また、ハードウェアの品質が高く、これらの開発環境を最大限、活かしやすいというメリットもあります。プロのクリエイターやエンジニアから支えられているとおり、大規模開発や難易度の高い開発にも適しているのです。Windowsでは「高価なアプリケーションであるがパフォーマンスの都合で効果を発揮できない」ということがあり得るため、比較すると魅力的です。

高価でカスタマイズ性が低い

Macは各種パソコンの中でも高価なハードウェアに分類され、Windowsと比較すると高価格帯の製品が多数存在しています。そのため、エンジニアとして予算が限られている場合には選択肢に入らないことがあるでしょう。

また、高価であることは専用のハードウェアに依存していて、ハードウェアやソフトウェアのカスタマイズ性が低いOSです。自作PCのように、自分でパーツを選んで組み立てることは不可能であり、Apple社が提供するモデルから選択しなければなりません。エンジニアとしてこだわりがあるならば、Macは利用しにくいでしょう。

エンジニアの開発目的によるWindowsとMacの違い

それぞれのOSには利点や欠点があり、エンジニアがどちらを選ぶべきかは一概に言えません開発目的や好み、環境によって異なると考えましょう。以下では、よくある開発目的に対して、WindowsとMacのどちらが適しているかについて解説します。

Web開発

Web開発は、WindowsとMacのどちらでも差し支えありませんがMacの方が開発に適しているとされています。理由としては、MacがUnix系OSであり、Webサーバーやデータベースなどの基本的な開発環境がすでに備わっているからです。
また、ターミナルやコマンドラインツールが使いやすく、SSH接続などの作業も容易に実装できるOSです。エンジニアとして手間を掛ける部分が少なくなり、開発に注力できます。加えて、MacはApacheやPHPなどのWeb開発に必要なツールが最初からインストールされていて、こちらもエンジニアが手間をかけてインストールする必要がありません。

モバイルアプリ開発

Androidアプリ開発はWindowsでも可能ですが、iOSアプリの場合はMacが必須です。iOSアプリ開発には、Xcodeと呼ばれるApple社が提供する開発ツールが必須であり、これはMacでしか動作しないためです。そのため、モバイルアプリの中でもiOSアプリならばOSはMacに限られてしまいます。
また、iOSアプリ開発には、iPhoneやiPadなどApple社のデバイスも必要となります。Mac OSだけではなく、パソコンからMacに揃えなければなりません。

機械学習

近年注目されている機械学習は、WindowsとMacのどちらでも開発が可能です。ただ、GPUを活用した高速な学習を実装したいならば、Windowsが適していると考えられています。これはWindowsの方がGPUのドライバによる最適化を強く意識した設計になっているためです。

また、WindowsならばTensorFlowやPyTorchなどの機械学習ライブラリにも対応しているため、スムーズな機械学習の実装ができます。GPUの活用は高速な機械学習に必要となるため、WindowsがよりおすすめのOSなのです。

バックエンド開発・フロントエンド開発

バックエンド開発・フロントエンド開発では、Macの方がよりスムーズだと考えられています。繰り返しですが、MacはUnix系OSでありLinuxとの親和性が高いからです。サーバーサイドの開発ツールはMacで動作するものが多く、エンジニアの開発環境が整っています。また、Web開発に必要なツールが最初からインストールされていて、Node.jsやnpm、Brewなどの開発ツールのインストールも容易です。

また、MacはWindowsよりも開発環境の構築が簡単なOSに分類されます。例えば、DockerやVagrantなどの仮想環境を簡単に構築して利用可能です。開発の負担を軽減するためにはMacがおすすめといえます。

エンジニアがWindowsとMacのどちらかを選択する際のポイント


上記のとおり、エンジニアが開発する内容などによってWindowsとMac、どちらのOSを使うべきか変化します。続いては、これらのうちどちらを使うべきかポイントを解説します。

予算

エンジニアとして端末にどの程度の予算を掛けられるか考えましょう。一般的に、予算を高くすればするほど高性能なパソコンが手に入ります。

Windowsは、多くのハードウェアで動作させられるため、比較的安価なPCでも動作可能です。そのため、予算に上限があるならば、Windowsで予算内のパソコンを購入することをおすすめします。

ただ、WindowsにもMacを超える高価格なパソコンが数多く発売されている状況です。「Windowsを選択すれば低予算でパソコンを確保できる」とは限らないため注意しましょう。

開発内容

上記で解説したとおり、開発内容を踏まえてOSを選択することが重要です。どちらのOSでも開発できるものは多々ありますが、エンジニアとして活躍するためには効率なども重視しなければなりません。

例えば、機械学習はWindowsを選択することでGPUを活用した高速な学習を実現できます。モバイルアプリ開発やWeb開発、バックエンド開発はMacを選択することで、シームレスな開発環境やセキュリティの強固さを確保可能です。

開発ツール

自分が利用したい開発ツールがどちらのOSに対応しているかが重要です。近年はどちらのOSにも対応している開発ツールが増えてきましたが、OSによって使い勝手が異なる場合があります。エンジニアとして使いやすい環境を選択することは重要です。

また、MaならばXcodeなどの開発ツールが標準で用意されていて、シームレスな開発環境が手に入ります。開発ツールの種類だけではなく、それらの環境を構築するまでの手間なども考慮して選択することが重要です。

また、開発ツールという観点では、WindowsとMacの両方を使用する方法もあります。例えば、Windows PCにVMwareやVirtualBoxをインストールすれば、Mac OSを仮想マシンとして起動可能です。一例ではありますが、開発ツールの使い分けをしたいエンジニアは、WindowsとMacを併用することで、開発に必要な環境を柔軟に構築できます。

まとめ

WindowsとMacという二大OSのうち、どちらがエンジニアに適しているかを一概には言い切れません。開発目的や好み、環境によって大きく異なると考えましょう。

一般的に、Windowsは多くのアプリケーションに対応していて、比較的安価なパソコンでも動作します。そのため、予算に限界があったり複数のアプリケーションを駆使したいときはWindowsが良いでしょう。また、機械学習に適しているとされているため、機械学習では特にWindowsがおすすめです。

一方、Macは高価なパソコンで自由度は下がりますが、シームレスな開発環境やセキュリティの強固さが特徴です。特にモバイルアプリ開発やWeb開発、バックエンド開発を担当するエンジニアにはMacをおすすめします。

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admin