会社員からフリーランスになるには|独立方法、手続きについて解説

会社員からフリーランスになるには|独立方法、手続きについて解説

会社員からフリーランスになりたい、と考える人が増えてきています。現在は様々な働き方があるため、会社員にこだわらない人が少しずつ増えてきている状況です。

フリーランスが注目されている状況ですが、会社員からフリーランスになる方法は広く周知されていない状況です。今回は会社員からフリーランスになるにあたり、知っておきたい独立方法や手続きなどについて解説します。

会社員とフリーランスの違い

会社員とフリーランスには様々な違いがあります。具体的にどのような違いがあるのかを、ご説明していきます。

働き方の違い

基本的に、会社員は決まった時間の範囲内で働きます。フレックス制度などが導入されている場合もありますが、それを踏まえても所定の時間で働くのが一般的です。

それに対してフリーランスは、働く時間について指定がないケースが大半です。契約次第ではクライアントから働く時間や場所について指定がありますが、フリーランスは基本的にそういった点が自由です。会社員とフリーランスには働き方に大きな違いがあります。

社会的な信用力の違い

注目してもらいたい違いが、社会的な信用力の違いです。会社員は高い信用力がありますが、フリーランスになるとこれがなくなってしまいます。

一般的に信用力の高さは、収入の安定性で推し量ります。収入が安定しているほど信用力は高く、不安定なほど低くなってしまうのです。フリーランスは収入が不安定になりやすいため、社会的信用力が低いと判断されやすくなっています。

会社員からフリーランスになる3つの方法


会社員からフリーランスになる方法はいくつか考えられます。それぞれについてどのような方法があるのかご説明していきます。

副業を発展させての独立

会社員時代に副業を開始しておき、その副業を発展させる形で独立する方法があります。すでに副業としてある程度の収入を得ていたり、収入を得る方法を確立したりしているため、フリーランスになっても収入が途絶えることはないでしょう。

基本的にフリーランスになることにはリスクがあります。会社員からフリーランスになると収入の安定性が崩れやすく、この点をリスクに感じる人が多いのです。フリーランスは会社員のように安定した収入を得られるとは限らないため、リスクに感じるのは当然のことでしょう。

この状況を回避するために、会社員時代に副業を開始する人は多くいます。エンジニアであれば週末にプログラミング開発の副業をしたり、デザイナーであればウェブデザインの副業をしたりするわけです。このような副業をしておくと、フリーランスとして仕事を得る方法が分かりますし、収入も得られます。

このようにある程度副業で稼げるようになっておけば、後は会社員からフリーランスで独立するだけです。副業の経験を生かして多くの案件を獲得するなど、会社員の収入がなくても生きていけるように少しずつシフトしていきます。

会社員時代の人脈を活用しての独立

会社員時代に副業をするのではなく、会社員時代の人脈などを生かして独立する方法があります。会社員時代の人脈を活用し、フリーランスとして案件を受注するようなケースが該当します。

フリーランスの案件獲得は、友人や仕事仲間など人脈が重要視されるケースが多々あります。人づてに案件を紹介してもらえる場合が多く、仕事に繋がりそうな人脈はなるべく多く持っておきたいところです。言い換えると人脈が多ければ、フリーランスになっても何かしら仕事を発注してもらえる可能性が高まります。

人脈を生かしてフリーランスになる場合、独立したタイミングで発注してもらえる仕事を確保しておきましょう。何かしらの仕事を発注してもらえる前提でいても、仕事が全くない可能性は考えられます。多少なりとも発注を確保しておかなければ、会社員からフリーランスになった段階で収入が途切れてしまうわけです。

また、できるだけ意識しておきたいのは仕事に繋がる人脈を重要視することです。人脈が多ければ案件を獲得できる可能性が高まりますが、全く案件に繋がらない人脈も一定数いるのは間違いありません。そのような人脈との付き合いで時間を消耗せず、フリーランスになるならば時間を有効活用するべきです。

フリーランスエージェントを利用しての独立

フリーランスエージェントを利用しての独立が考えられます。自分で案件を獲得するのではなく、フリーランスエージェントに登録をして、そこから案件を紹介してもらいます。

フリーランスエージェントに登録するためには、事前にスキルシートなどを提出しなければなりません。また、どのような案件に参画したいかなど、フリーランスエージェントの担当者と面談もしなければなりません。つまり、利用を開始するために少々時間を要してしまいます。

ただ、事前に登録さえしておけば、後はフリーランスエージェントの担当者が自分に適した案件を紹介してくれます。紹介された案件の中から気に入ったものに応募して、クライアントとの面談で特に問題がなければ案件を獲得できます。

会社員からフリーランスになる際に、課題となりやすいのは営業先の開拓です。フリーランスエージェントを利用すればこの課題を解決しやすく、会社員からフリーランスに独立する後押しとなります。

会社員からフリーランスになると必要な手続き


会社員からフリーランスになると、社会保険の手続きや税金に関する手続きなどいくつかの手続きをしなければなりません。短期間で様々な手続きをしなければならないため、どのような手続きをしなければならないのかそれぞれ理解しておいてください。

社会保険の切り替え

会社員とフリーランスでは社会保険の内容が異なります。会社員の場合、社会保険は総務部などが対応してくれていたはずですが、フリーランスになると自分で全て対応しなければなりません。

基本的に会社員を辞めると、会社員時代に加入していた社会保険は加入できなくなります。一部暫定措置として加入を継続できるものがありますが、フリーランスになると加入内容を変更する手続きをしなければなりません。

最初に手続きをしなければならないのは、年金に関するものです。会社員の場合厚生年金に加入していますが、会社員からフリーランスになるとこれに加入できず、国民年金に切り替わります。

年金の切り替え手続きは、会社員を辞めてから14日以内に所轄の年金事務所で行います。年金手帳や厚生年金の退職日が分かるものを持参しなければ手続きできないため、必ず忘れず持参するようにしましょう。

また、健康保険の加入手続きもしなければなりません。会社員からフリーランスになった際は健康保険の加入に選択肢があり、退職してから2年間までは会社の健康保険を任意継続できます。しかし、任意継続した場合は会社と保険料の折半ができなくなるため、保険料全額を自分で支払わなければなりません。

とはいえ、加入している健康保険によっては任意継続したほうが、保険料が安くなる可能性があります。最終的に保険料がどうなるかを踏まえて、任意継続するか判断して差し支えありません。

関連記事:フリーランスは社会保険に加入できる?種類や手続きについて解説!

開業届の提出と青色申告承認申請書の提出

会社員からフリーランスになるには、税務署に開業届を提出しておくべきです。開業届の提出は必須ではありませんが、開業届を提出しておくと個人事業主として扱われます。フリーランスは必ずしも届け出をしている個人事業主とは限りませんが、個人事業主となっている方が活躍するにあたり便利な場面が多々あります。

開業届は所轄の税務署へ提出が必要です。個人事業主は基本的に住民票のある住所で開業するため、自分の住所を管轄している税務署に提出しましょう。提出は持ち込みや郵送などの選択肢がありますが、開業届の控えが欲しいのであれば、窓口に持ち込んで提出するようにしておきましょう。

また、開業届と同時に提出しておきたいのは、青色申告承認申請書です。こちらは確定申告の際に青色申告の利用を申請するものです。詳細は割愛しますが、青色申告が利用できるようになると所得控除の金額が大きくなり、フリーランスとして支払う税金が少なくて済みます。

会社員からフリーランスになるために、開業届や青色申告承認申請書の提出は必須ではありません。ただ、提出することで得られるメリットを踏まえ、基本的には提出するようにしておきましょう。

関連記事:税金・保険・確定申告-フリーランス(個人事業主)の確定申告は青色申告?白色申告?

勤務先変更の手続き

必要に応じて、勤務先の変更手続きをします。様々な契約において勤務先を申告している可能性があるため、フリーランスになることで勤務先が変更になる際は申請をしておきましょう。

例えばクレジットカードでは、勤務先が変わるとその旨を連絡するように利用規約で定めている場合があります。そのような場合は利用規約に則って、フリーランスになり勤務先が変更になったことを伝えなければなりません。

なお、勤務先が変更になったからといって、その事実がすぐに契約先などに伝わるとは限りません。申告を忘れていても特に問題がない場合もあります。ただ、利用規約などルールが定められている場合は、可能な限り速やかに申告するようにしましょう。

会社員からフリーランスになる前に対応しておくべき2つの事項

会社員からフリーランスになる前に準備しておくべき事項があります。具体的に何をしておかなければならないかを、続いてご説明します。

クレジットカードの発行やローンの契約

クレジットカードやローンの契約は事前に済ませておきましょう。会社員からフリーランスになると、信用力が下がりクレジットカードやローンの契約はしにくくなります。信用力が十分にある会社員の間にこれらの契約は済ませておかなければなりません。

クレジットカードもローンも契約してすぐに利用しなければならないルールはありません。そのため、フリーランスになってから備品を購入するのに備え、クレジットカードを追加で発行しておくと資金繰りで安心しやすくなります。

また、ローンについても銀行カードローンなどを利用すれば、好きな時に借り入れが可能です。事前に借り入れできる枠だけ契約しておくと、会社員からフリーランスになり自己資金に問題が発生した場合でも、借入で一時的にしのげるようになります。

他にも自動車の購入など、ローンを必要とするものは会社員のうちに契約しておきましょう。フリーランスになって収入が不安定になると、高額な商品を購入するのには通過しにくくなります。住宅ローンの審査なども落ちる可能性があるため、高額なローンを組む予定ならばフリーランスになるタイミングは考慮した方が良いでしょう。

関連記事:フリーランスがクレジットカードを作るには?おすすめのクレジットカードを紹介!

必要な備品の用意

各種備品の用意はなるべく会社員の間に済ませておくべきです。フリーランスになってから手続きをすると、時間を要してしまう可能性があるため注意が必要です。

例えばフリーランスになるにあたり、名刺を用意しておいた方が良いでしょう。近年はオンライン上で活躍するフリーランスが増えていますが、対面でやり取りする際は名刺交換する可能性が十分にあります。必要な状況に備えて、名刺は事前に作成しておくのがおすすめです。

また、自分のスキルを示すためにポートフォリオを作成しておくべきです。一昔前は印刷物のポートフォリオが主流でしたが、現在はWebサイトでポートフォリオを公開するケースが増えています。Webならば遠隔地でも簡単に閲覧してもらえるため、できるだけWebで作成しておくのが無難です。

名刺は短時間で作成してくれるサービスがあるため、忘れていても数日で作成可能です。しかし、Webサイトでポートフォリオを公開するとなると、数日で内容を完成させるのは至難の技です。数ヶ月前から計画的に準備をして、必要なものは揃えておくようにしましょう。

関連記事:フリーランスエンジニアにポートフォリオは必要?ポートフォリオ作成のコツを紹介!

まとめ

会社員からフリーランスになるための方法をご説明しました。何かしら特別な手続きがあるように思うかもしれませんが、フリーランスになるための手続きは特にありません。ただ、税金面などの優遇措置を受けるために、税務署に開業届を出すのが一般的です。

また、会社員からフリーランスになると、社会保険に関する切り替え手続きなどが必要です。会社員とは異なり会社が自動的に対応してくれるものではありませんので、自分で年金事務所などに行って手続きをしましょう。

フリーランスは会社員ほど信用力がないため、会社員を辞めてから契約しようとすると審査に落ちてしまう可能性があります。会社員からフリーランスになる際は、クレジットカードやローンの契約を済ませておくようにしましょう。

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