サテライトオフィスと在宅勤務、テレワーク|概要や違いを紹介

サテライトオフィスと在宅勤務、テレワーク|概要や違いを紹介

現在は働き方改革によってさまざまな働き方が認められています。働き方が多様になる中でよく見かけるキーワードが、サテライトオフィス・在宅勤務・テレワークです。皆さんも見かける機会が多いでしょう。

ただ、これらは似たような言葉であり、具体的な意味や違いが理解できていない人は多いようです。今回はこれらを詳しく理解できていない人に向けて、概要や違いについてご説明します。

サテライトオフィスとは

最初にサテライトオフィスとはどのようなものかご説明します。

会社が設けた出勤場所

サテライトオフィスは会社が設けた出勤場所を指します。本社や支社など基本的に出社する場所ではなく、それらとは別に設けられた場所です。

そもそもサテライトとは英語で「衛星」を意味しています。本社など中心となる事務所とは異なり、中心を取り巻くような小型の事務所を指します。一般的には小規模な事務所で、本社の規模とは異なるケースも多いようです。

サテライトオフィスには種類があり、主に設置場所によって分類されます。例えば都市部で業務効率を高めるために設けられたサテライトオフィスもあれば、郊外で出勤時間低減のために設けられたサテライトオフィスもあるのです。必ずしも会社の近くにあるとは限らず、全く異なった場所にサテライトオフィスが設けられるケースもあります。

備品などは会社が用意

注目したいのはサテライトオフィスの備品は会社が用意する点です。基本的にサテライトオフィスは、専用の場所を会社として保有していたりレンタルしていたりします。グループ会社を除いて共有のものではありません。

そのため、設置されている備品などは基本的に会社が用意します。業務に利用するパソコンやプリンターはもちろん、モニターなども会社が用意しなければなりません。また、印刷に利用する用紙なども会社が用意します。

会社以外の場所に設置されているオフィスは「共有のオフィス」との印象を持つ人は多いようです。しかし、サテライトオフィスはグループ会社で共有している場合を除いて、基本的には会社が契約し独自に保有しているものです。

BPC(事業継続計画)対策に活用可能

最近は多くの企業がBCPを意識しています。これは事業継続計画と呼ばれるもので、災害などが発生した場合に業務が止まらないようにする対策などを指します。

サテライトオフィスのように本社とは別のオフィスを用意していると、災害などに対応しやすくなります。例えば都市部が大雨で浸水しても、地方のサテライトオフィスであれば問題なく業務を続けられる可能性があるのです。

ご説明したとおり、サテライトオフィスは自社で契約するのが一般的です。地震災害などを見据えた対策が可能となり、会社の社会的信用力を高めるのに役立ちます。また、従業員の雇用を守ることにも繋がり、従業員からの信用を勝ち取るものでもあります。

在宅勤務とは


続いて在宅勤務とはどのようなものかご説明します。

自宅で終日勤務

在宅勤務は終日自宅で勤務する働き方です。「在宅」の意味そのままであり、出勤するのではなく自宅だけで勤務が完結します。出勤時間がなくなるため、業務効率の向上などが期待できます。

最近は新型コロナウイルスの影響もあり、出勤など人が集まる状況を避ける傾向にあります。通勤電車などは混雑し接触する機会も増えてしまうため、在宅勤務によってこのような状況を改善しているのです。また、働き方改革が広がり、在宅勤務を推奨する会社も増えてきています。

なお、在宅勤務が導入された後は、恒久的に在宅勤務が利用される傾向にあります。在宅勤務の導入と廃止を繰り返した例も見受けられますが、在宅勤務できるだけの環境を整えれば恒久的な制度として利用可能です。

ネットワークなどは個人で調達

在宅勤務の場合自宅からパソコンなどを事務所に接続しなければなりません。この時に必要となるネットワークなどは、基本的に自分で用意する必要があります。在宅勤務の環境によっては業務効率が大きく変化してしまうのです。

例えば一人暮らしでインターネットを契約していない場合、スマホのテザリングなどに頼らざるを得ません。ただ、住居向けのインターネット回線と比較すると低速になりやすく、業務効率が落ちる原因となってしまいます。

また、ネットワークに限らず机や椅子なども自分で調達しなければなりません。在宅勤務をするのに適したものがなければ、購入しなければならないのです。個人で調達すべきものが多くあり、その人が置かれている状況によっては負担が大きくなってしまいます。

課題も多い

働き方改革を後押しする在宅勤務は導入を決める会社が増えています。ただ、急速な在宅勤務の広がりを背景に、多くの課題が隠されているのも事実です。

例えば上記でご説明したように、ネットワークなどの環境を整える必要があります。すでに環境が整っていれば良いですが、そうでない場合は在宅勤務に向けて投資が必要です。勤務する側に負担を強いる形となるのです。

また、家族と同居している場合は、情報の管理に気を付けなければなりません。社外秘の資料を閲覧されないよう注意が必要です。海外では家族からの情報漏洩が起きたケースがあり、意識して管理しなければなりません。

他にも、他人との関わりが減ることで精神的な負担を感じる可能性があります。在宅勤務によりうつ病になったケースも報告されているため、会社側も従業員側も気を付けなければなりません。

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テレワークとは


最後にテレワークとはどのようなものかご説明します。

リモート環境での勤務全般

テレワークには厳密な定義がなく、日頃出勤する事務所以外での勤務全般を指しています。サテライトオフィスや在宅勤務もテレワークの一種に分類されます。

サテライトオフィスや在宅勤務との違いは、移動中や顧客先での勤務も含まれることです。事務所以外の場所で業務に携わっていれば、全てテレワークに該当します。

なお、テレワークについては会社で制度として定められていない場合もあります。例えば体調が悪くなりパソコンを持ち帰って自宅で作業すればそれはテレワークに該当します。何かしらの定めがなくとも、実質的なテレワークになる可能性は十分にあるのです。

従業員の管理が重要

テレワークは事務所以外でも仕事ができる場所を選ばない働き方です。そのため、長時間労働になったり情報漏洩が発生したりと問題も発生しやすくなります。そのため、従業員の管理を徹底しなければなりません。

自社の人間であれば適切な教育を実施するなどして、テレワークのルールを徹底できます。しかし、派遣の従業員やフリーランスなどを利用していると、これらのルールが徹底できない可能性があります。適切な環境で働いていなければ、会社側も従業員側も何かしらのデメリットを被りかねません。

また、そもそもルールを定めていない場合、会社側の責任を問われる可能性もあります。会社側はルール作りが重要な上、従業員側はルールの確認や設定が重要となります。

適した業務環境の選択が重要

テレワークには様々な働き方があるため、適した業務環境の選択が重要です。例えば在宅勤務を中心とするのか、サテライトオフィスを中心とするのか検討しなければなりません。従業員の勤務地や業務委託先の状況、会社として用意できる予算など様々な観点から検討します。

例えば時間をかけて出勤する従業員が多いならば、在宅勤務やサテライトオフィスの検討が良いでしょう。出勤時間を短縮することで業務効率がアップし、会社にとってメリットを生み出すはずです。

また、フリーランスなど業務委託が多いならば、在宅勤務やコワーキングスペースなどで働けるように検討してみましょう。自宅とは異なりセキュリティ面などに対応する必要はありますが、テレワークを導入しておくことで良い人材を確保しやすくなるはずです。

サテライトオフィス・在宅勤務・テレワークの違い

サテライトオフィス・在宅勤務・テレワークにはそれぞれどのような違いがあるのかご説明を続けます。

移動の有無

出勤のために移動するかどうかに違いがあります。在宅勤務の場合は移動する必要がありませんが、サテライトオフィスの場合は移動しなければなりません。テレワーク導入企業ではどちらの選択肢も考えられるでしょう。

移動が発生するかどうかは働く側にとって大きなポイントです。特に居住地から事務所まで距離がある場合は、移動に時間を要してしまいます。交通機関が混雑する場合もあり、移動するだけで体力的にも精神的にも負担になりかねないのです。

在宅勤務が導入されていれば移動については意識する必要がありません。負担なく業務に取り掛かれます。また、サテライトオフィスの場合は会社への移動よりも負担を抑えて業務に取り掛かれるはずです。

なお、サテライトオフィスでどの程度負担の軽減ができるのかは状況によって異なります。会社がどこにサテライトオフィスを設置しているかによって、メリットは違ってくるのです。

勤務環境手配のハードル

ネットワークや備品など勤務環境を手配するハードルが異なります。サテライトオフィスならば必要なものが一式揃っていますが、在宅勤務やテレワークになると自分で用意する可能性があります。

個人で利用するものを用意するとなると、個人負担か会社負担かを検討しなければなりません。PCは会社から提供されるケースが多いですが、モニターは状況によるでしょう。また、ネット回線や机・椅子など会社からの提供が難しいものが含まれます。

勤務環境が手配できるかは、業務効率を大きく左右します。フリーランスのように最初から在宅勤務に対応できる働き方をしている人は良いですが、そうでない場合はハードルが高まってしまうかもしれません。

セキュリティ対策

どのようなセキュリティ対策がとられているかに違いがあります。サテライトオフィスは十分なセキュリティ対策を取れますが、在宅勤務やテレワークではそうとは限りません。

例えばサテライトオフィスは、その場に同じ会社で働く人しか居ないのが基本です。グループ会社の従業員などが含まれる場合はありますが、社外に情報が漏れる可能性はほとんどありません。

それに対して在宅勤務やテレワークでは、近くに家族など社外の人がいる可能性があります。話を聞かれるなど情報が漏れる可能性があり、セキュリティ面には不安があります。また、書類なども社外の人に見られる可能性があり、慎重な管理が求められます。

現在はセキュリティ対策が特に重要視されています。会社から指示された対策はもちろん、作業環境の違いに応じて適切なセキュリティ対策を施さなければなりません。

助成金の有無

どのような働き方を導入するかによって、助成金の有無が異なります。最近は働き方改革のために多くの助成金が用意されているため、適用できるかどうかは重要な部分です。

例えば在宅勤務を行うために会社にシステムを導入するならば、導入に関わる費用が補助されます。システム導入はまとまったお金が必要となるため、助成金などで補助してもらえると負担を大きく軽減できます。

また、助成金の適用を受ければ、会社として従業員へのサポートもしやすくなります。例えば在宅勤務のためにディスプレイの導入などができるのです。助成金が出ないような内容でも、他の助成金で予算に余裕が出れば対応できるようになります。

まとめ

サテライトオフィス・在宅勤務・テレワークの概要と違いについてご説明しました。同じような言葉だと認識されている人がいますが、それぞれ意味合いが異なっているため正しく理解しましょう。意味を取り違えると大きな認識齟齬を生みかねません。

また、サテライトオフィス・在宅勤務・テレワークの中でもどの制度を取り入れているかは会社によって異なります。制度の導入については自分で調整できるものではないため、会社の方針に合わせるしかありません。

なお、在宅勤務など自分で勤務環境の整備をしなければならない働き方があります。働き方によっては自分自身に負担がかかるため、その点は理解しておくと良いでしょう。

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