AIによりプログラマーの仕事がなくなる理由|対策方法は〇〇
近年は猛スピードでAIが普及しています。様々な分野でAIが活用されるようになり、システム開発にもAIが利用される時代です。
このような時代になったことで、プログラマーの仕事は一部AIに奪われてしまいそうです。今回はAIに奪われてしまう理由と、そのような状況でも生き抜くために皆さんがやるべき対策を解説します。
AIによってプログラマーの仕事がなくなる理由とは?背景と3つの理由
プログラマーの仕事がAIに奪われると言われています。実際はどうなのでしょうか。そのように言われる背景やその理由について解説します。
プログラマーの仕事が奪われるとされる背景
そもそもプログラマーの仕事が奪われると言われるのには背景があります。この背景について理解しておいた方が良いでしょう。
この背景には「THE FUTURE OF EMPLOYMENT」に掲載されたアメリカでの雇用人数の変化があると考えられます。こちらの資料ではプログラマーは20年後に減少する仕事として説明されていて、その理由はAIなどがプログラムの生成をサポートするからとされています。
これが様々な解釈を生み、結果としてAIがプログラマーの仕事を奪うのでは無いかと言われるようになっています。直接仕事を奪うと記載されていたわけではないものの、そのような解釈が広がっています。
プログラマーの仕事が奪われる理由
続いては具体的にプログラマーの仕事が奪われる理由について解説します。このような考えが生まれている理由は次のとおりです。
- 人件費を抑えられるから
- プログラミングの自動化が進んでいるから
- 自動生成されるプログラムの品質が高まっているから
それぞれの理由についてどのような内容であるのか以下でご説明します。
理由1:人件費を抑えられるから
AIを利用すればプログラミング作業の自動化を実現できます。自動化すれば人件費を抑えられますので、人件費カットのためにAI導入が進み、仕事が減ると考えられます。
システム開発において、人件費は費用の多くを占めています。現在はほとんどの部分を人間が開発していますので、システム規模が大きくなるほど人件費が高まっています。そして、システム開発のためにはあまり削減できない費用だとも考えられています。
しかし、AIを利用すればこの問題を一気に解決できます。一定の指示を出せば決まったとおりのプログラムを開発できるようになります。今まで人間がやっていた作業を、AIに置き換えられなおかつ人件費も下げられるのです。
システム開発において人件費はネックになりやすいものです。人件費の問題の解決のために、積極的にAIを活用する開発現場が増えた結果として、プログラマーの仕事が減る可能性があります。
理由2:プログラミングの自動化が進んでいるから
そもそも、近年はプログラミングの自動化が進んでいます。自動的にソースコードを生成する仕組みが開発されているのです。
例えば、ここ数年ではノーコード開発が注目を浴びています。これはプログラマーがプログラミングをするのではなく、ツールを利用して画面操作をしていけばプログラムが開発できるものです。ボタンをクリックした際の動作などを設定すると、そのとおりにソースコードが生成されます。プログラミングの細かい知識は必要ありません。
AIが発達したことによって、このようなプログラミング初心者でも開発ができるツールが公開されています。このようなツールで開発をすれば、プログラマーは必要がなくなってしまうのです。
ただ、まだまだ自動的に開発できるプログラムには限界があります。とはいえ、この先の発展度合いによって、プログラマーの仕事が減ってしまうでしょう。
理由3:自動生成されるプログラムの品質が高まっているから
AIの技術向上によって、生成されるプログラムの品質が上がっています。高品質なプログラムを生み出せるようになったことで、プログラマーの仕事が奪われる可能性があります。
5年前や10年前にもプログラムの自動生成技術はありました。しかし、この時代のプログラムは品質が悪く、それだけで使い物になるケースはあまりありませんでした。人間が手を加える必要があったのです。
それに対して最近の技術により自動生成されるプログラムは、非常に高い品質を保っています。しっかりと調整されたAIを利用すれば、そのまま使い物になるプログラムを生み出せるようになったのです。
今までもプログラムの自動生成技術はあったものの、「人間がやった方が早い」という部分が多くありました。そのため、プログラマーの仕事が奪われることはなかったのです。
しかし、現在は特定の分野に限れば自動生成のプログラムでも十分実用に耐えています。そのため、以前のように自動生成のプログラムは使い物にならないという状況ではなくなり、プログラマーの仕事を脅かしています。
現状はまだプログラマーのアシストが主流
このまますぐにプログラマーの仕事がなくなると考えたかもしれません。上記のような機能を持つAIは徐々に生み出されていますので、すでに仕事が奪われていると感じた人もいるでしょう。
しかし、様々なAIが生み出されているものの、現在はプログラマーの仕事を奪うほどではありません。プログラマーの代わりに万能な開発ができるものはなく、まだ特定のプログラムだけを生成するものが大半です。プログラマーがいなくともプログラムを開発できる状態ではないのです。
逆に現在のAIは、プログラマーのアシストをしてくれるものが主流です。仕事を奪うのではなく、プログラマーが他の業務に集中できるよう、単純作業を担ってくれています。
他にもAIを利用すれば、プログラミング環境の自動デプロイなども可能です。今までは人間が時間をかけてやっていた作業ですが、単純作業ですのでAIを利用して自動化できるのです。
今すぐにAIがプログラマーの仕事を奪うわけではありません。現状はプログラマーの良いアシストを担ってくれています。
プログラマーの仕事をAIに奪われないための対策3選
AIに仕事を奪われないように皆さんがやるべきことをご説明します。
対策1:AIの知識を身に付けておく(AIプログラマーになる)
AIを開発したり利用したりする知識を身につけておきましょう。特にAIを開発する知識を身につけておけば、AIプログラマーとして活躍できます。
今のところAIの開発は非常に高いスキルが求められています。設計をするエンジニアには高いスキルが必要ですし、それを実装するプログラマーも高いスキルが必要です。そのためAIに関する高いスキルがあれば、AI技術者として長く活躍できます。
なお、SF映画などを見ていると、AIがAIを作るような演出が見られます。「このような時代が来るのではないか」と考える人はいると思いますが、今のところここまでの技術進化はしていません。AIを作るためにはスキルの高い人間が必要とされています。
このようなAIの開発状況を鑑みると、AIプログラマーの仕事はAIに奪われる状況ではありません。AIを開発する側に回れば、長く活躍できるのです。
関連記事:AIエンジニアとは?必要なスキル・将来性をチェック!
対策2:上流工程に対応できるようにする
プログラマーでも上流工程に対応できるようにしましょう。プログラミングは下流工程に分類されますので、上流工程の要件定義や各種設計に携われるようにしていきます。
一般的に上流工程を担当するのは、プログラマーではなくシステムエンジニアと言われます。小規模な案件ではプログラマーが兼務する場合がありますが、中規模以上の案件では役割分担されているのが基本です。
役割分担されていますので、プログラマーの仕事は減ったとしても、システムエンジニアの仕事は減らない状況です。要件定義や設計をしっかりとして、AIにプログラミングの一部を任せるような時代が来るのです。
言い換えるとプログラマーの仕事は奪われる可能性があるものの、システムエンジニアの仕事は今のところ奪われません。人間でしか対応できない部分がシステム開発にはあるのです。
今までのプログラマーは、上流工程にあまり関わらない立場でした。しかし、AIに仕事を奪われる可能性を加味すると、プログラマーも上流工程の知識を身につけておくべきです。
対策3:複雑な業務要件に対応できるようにする
今のところAIは明確な基準による処理を得意としています。逆に複雑な判断を要するものは、AIではなく人間の得意としている部分です。
つまり、AIによるプログラム開発が広まったとしても、複雑な業務要件を理解してプログラムの生成はできません。このようなプログラムを生成するためにはAIエンジニアがAIに様々な指示を出す必要があります。これが意味するのは、結果として人間がプログラムを書いたほうが早いということです。
AIがプログラムを作る時代ではありますが、まだまだ生成できるプログラムには限界があります。複雑な要件を理解して、それに適したプログラムを自動的には生成できないのです。
また、今後AIの技術が発達したとしても、複雑な業務要件への対応は時間がかかると考えられます。結局は人間がAIを操作する必要があり、AIに完全に仕事を奪われる可能性は低いのです。
そのような点を踏まえると、複雑な要件に対応できればプログラマーは生き残れます。AIは万能ではないことを理解し、AIが苦手とする部分のスキルを身につけましょう。
AIに奪われる仕事とそうではない仕事をよく理解する
先ほど、AIに仕事を奪われるとは限らないことをご説明しました。その理由についてもう少し深堀りしていきます。
クリエイティブな仕事はまだまだ人間の範囲
先ほども一部述べましたが、AIは比較的単純な作業を得意としています。複雑な作業に対応できるAIはありますが、まだまだ複雑なプログラムを生成するには至っていません。
そのような状況を踏まえると、クリエイティブな仕事はまだまだ人間の範囲です。例えば、「複雑な設計書からプログラムを作る」「設計書に記載のない要件を経験から読み取る」などはAIにはできないのです。本来はAIがすべてプログラミングできるような設計書が必要かもしれませんが、そのような状況になっていないケースが多々あります。
また、そもそもAIだけではプログラムの生成はできません。AIがプログラムを生成するためには、人間が作った設計書が必要です。設計書を作るところまでをAIでは実現できません。
総じてAIはクリエイティブな作業への対応に限界があります。上流工程を含め対応できるプログラマーになれば、いきなりAIに仕事を奪われることはありません。
プログラマーが不要になるわけではない
AIとプログラマーの関係を説明すると「これから先プログラマーは不要になるのか」と心配される人がいます。そのように理解してしまったかもしれませんが、プログラマーが完全に不要になるわけではありません。その点は誤って理解しないように気をつけてください。
確かにAIが発展すると、必要とされるプログラマーの数は減る可能性があります。上記で説明したとおり人件費削減のためAIが活用され、人間のプログラマーは減らされてしまう可能性があります。
ただ、減らされてしまう可能性があるだけで、完全になくなってしまう職業ではありません。「AIに仕事を奪われてしまう」と考え、急いで転職活動をする必要などもないのです。
皆さんが意識しておくべきことは、「AIを意識しておかなければ仕事が奪われるかもしれない」という部分です。そして「対策しておけばAI時代でも生き残れる」ということです。これらふたつを理解できていれば、これからAIが広がってもプログラマーとしての職を失いません。
まとめ
今回はAIとプログラマーの関係についてご説明しました。AI技術が発達したため、現在は人件費削減などの目的で、プログラマーの代わりにAIが使われ始めています。
ただ、皆さんが持つ「AIは万能」のイメージとは裏腹に、AIが生成できるプログラムには限界があります。複雑なプログラムを自由に生成できるのではなく、ある程度は制約の範囲内でプログラムを生成します。まだまだ全てのプログラミング要素をAIに置き換えられる状況ではありません。
とはいえ、AIを利用したプログラミング技術は急速に発展しています。AIを意識しておかなければ、スキルの低いプログラマーはAIに置き換えられる可能性があります。AIに仕事を奪われないように、今のAIでは実現できないプログラミングスキルを身に付けなければなりません。AIにとって代わられない自身の武器を身に付けることが大切となってきます。
関連記事:【2021年最新】武器になるSQLの資格ランキングTOP3!
関連記事:【2021年最新】武器になるIT系の資格ランキングTOP10!