フリーランスの領収書・請求書|おすすめの管理方法10選!

フリーランスの領収書・請求書|おすすめの管理方法10選!

フリーランスとして活動していると、必然的に増えてくるのが領収書と請求書です。お金が動くたびに増えていきますので、管理に困っている人は多いでしょう。ただ、確定申告の際に必ず必要ですので、捨ててしまうわけにはいきません。

そのためフリーランスは、領収書や請求書を管理するしかありません。今回は数が多くなり管理に困りやすい、領収書や請求書の管理方法について解説します。

フリーランスは領収書・請求書の管理が必須

繰り返しとはなりますがフリーランスは領収書や請求書の管理が必須です。まずはその理由について簡単にご説明しておきましょう。

法律で保存期間が定められている

あまり意識していないかもしれませんが、領収書や請求書には法律で保存期間が定められています。確定申告のためだけに保存するのではなく、法律で定められているため保管しなければならないのです。

何をどの程度保存しなければならないのかは、個人か法人かによって異なります。書類名と期間を簡単にまとめると以下のとおりです。

 

法人の場合 原則として7年間の保存が必要
個人事業主の場合 青色申告の場合:7年間の保存が必要

白色申告の場合:5年間の保存が必要

このように定められていますので、フリーランスは最低限この期間は領収書と請求書を保存しなければなりません。なお、これは最低保存期間ですので、必要に応じてこれ以上長く保存しておく事も何ら問題はありません。

個人事業主の場合の書類の必要保存期間は、青色申告・白色申告の場合で異なります。青色申告・白色申告の違いに関しては過去の記事にて解説しています。

関連記事:税金・保険・確定申告-フリーランス(個人事業主)の確定申告は青色申告?白色申告?

監査などで利用される可能性も

あまり多くの例は知りませんが、税務署からの監査で利用される場合があります。確定申告に不審点があった場合などに、税務署から証拠の提出を求められるのです。

このような時に必要な書類を保存していなければ、そもそも確定申告の内容が認められなくなります。「証拠がないのに確定申告をしている」と判断されてしまい、修正申告を求められてしまうのです。

フリーランスで監査を受けるケースはあまり耳にしないものです。ただ、万が一の時に備えて、必要書類は管理するようにしましょう。

関連記事:確定申告に必要な書類は?フリーランスがはじめての申告で知っておくべきこと

フリーランスの領収書の管理方法5選


具体的にフリーランスが領収書の管理に利用できる方法として、筆者のおすすめを5つご紹介します。

方法1:封筒で月ごとにまとめる

年間で12個の封筒を用意して、月ごとに領収書をまとめると良いでしょう。フリーランスは収支を月単位で管理する場合が多いですので、この単位で封筒に入れれば収支計算がしやすくなります。また、封筒に「2021年1月」などと年月を記載しておけば、いつの領収書が入っているのか一目で把握できます。

ただ、枚数が多い場合は1つの封筒での管理が難しくなってしまいます。出し入れの際に領収書を落としてしまったり重なっていることで破損させてしまったりする可能性があるのです。

そのため、枚数が多くなってきた場合は複数の封筒に分けた方が良いでしょう。そして「2021年1月1日~15日」などと年月日まで書いておけば、いつの領収書が入っているのか一目で分かります。なお、複数の封筒を使いたくない場合は、最初から大きい封筒を用意することをおすすめします。

方法2:ノートにどんどん貼り付ける

領収書は小さいものも多く失くしやすいデメリットがあります。そのためなくすことを防止するのも兼ねて、ノートへの貼り付けがおすすめです。

ノートに貼り付ける際は剥がれ落ちないようにしっかりと固定するようにします。「貼ったものがいつのまにかなくなっている」との状況にはならないようにしましょう。貼り直しができるタイプのノリではなく、しっかりと固定できるタイプのノリが理想的です。

ただ、しっかりと固定しますので、後からの並び替えなどは難しくなってしまいます。思うような順番で貼り付けできていないと、後から苦労するかもしれません。

そのためノートに貼り付ける場合は、日付順にきっちりと並び替えると良いでしょう。日付の早いものから貼り付けるようにすれば、後になって困る可能性が下がります。ある程度領収書がまとまればまずは日付順に整理して、そこから貼り付け作業をしましょう。

方法3:勘定科目ごとにまとめる

確定申告の際に領収書の金額は勘定科目ごとに整理しなければなりません。そのため領収書を管理する段階で、勘定科目ごとに分けておけば確定申告の際に手間を軽減できます。

勘定科目ごとに整理できていれば良いですので、封筒やノートなど好きなものを利用するとよいでしょう。時系列に分かれていた方が後ほど見返しやすいですので、時系列に並び替えてノートに貼っておくのがおすすめです。

なお、フリーランスとしての仕事内容によっては、利用する勘定科目が多くなってしまいます。つまり、管理しなければならない封筒やノートの数が増えてしまいます。「とある勘定科目の領収書を全て紛失した」などの事態にならないようには注意しましょう。

また、ノートを利用する場合は、1冊で1年しか利用できないわけではありません。複数年利用できますので、ノートを余らせて無駄にすることはないのです。

方法4:領収書用ファイルでファイリングする

領収書を整理するためのファイルが発売されています。こちらを利用して領収書をファイリングしても良いでしょう。

一般的なファイルはA4サイズやB5サイズの大きなポケットが付いています。このようなものを利用して領収書を管理しても良いのですが、ポケットが大きいため領収書がポケットの底に溜まりやすくなってしまいます。また、何が入っているのか分かりにくくなる問題があります。

それに対して領収書管理用のファイルは、比較的小さく浅いポケットで構成されています。領収書サイズのポケットとなっていますので、大きなポケットのファイルを利用するよりも管理しやすくなっているのです。

領収書用のファイルを利用すれば、領収書を綺麗に管理しやすくなります。ただ、領収書をファイリングしていきますので、多少はかさばってしまう点に注意が必要です。ノートでの管理もかさばってしまいますが、ファイリングの場合はもう少し場所を取ると考えておきましょう。

方法5:カメラ撮影やスキャンしてデジタルで管理する

領収書は現物を管理するのが基本です。ただ、税務署に届け出をして許可されれば、現物ではなくカメラ撮影したものやスキャンしたものが証拠として利用できます。

カメラやスキャンによって領収書をデジタル化しておけば、領収書の管理工数を大きく削減できます。フリーランスは様々な業務に追われますので、領収書を管理する手間が小さくできるのはメリットだと言えます。

ただ、領収書の管理をデジタル化するためにはいくつか制約があります。先ほどご説明した税務署の許可も必要ですし、特定の手順に沿って領収書の撮影やスキャンをしなければなりません。また、対応している一部の会計ソフトを必ず利用することが求められます。

そのような制約を加味すると、必ずしも全員におすすめとは言えません。制約条件を確認し、簡単に満たせる人はデジタル管理に切り替えると良いでしょう。

フリーランスの請求書の管理方法5選


続いてはフリーランスが請求書を管理する方法として、おすすめを5つご紹介します。

方法1:封筒やファイルで月ごとにまとめる

簡単な管理方法は発行した月ごとに封筒やファイルで管理するものです。毎月様々な請求書が発行されるはずですので、それらの控えを月ごとに管理しておきます。

決まった封筒やファイルに入れるルールを作っておけば、過去の請求書を探す手間を小さくできます。時折何ヶ月か遡って請求書を確認しなければならないケースがありますが、そのような時に月ごとの管理としておけば日付から必要なものを探しやすくなります。

ただ、発行する枚数が多いと、封筒やファイルの中で請求書が擦れ汚れてしまう可能性があります。あまりに枚数が多くなる場合は、期間を短くして複数の封筒をファイルに分ける管理方法も考えましょう。

方法2:封筒やファイルで取引先ごとにまとめる

請求書を月ごとに分けるのではなく、取引先ごとに分ける方法もあります。フリーランスは同じ取引先とのやり取りが多い人もいますので、この管理方法が適している人もいるでしょう。

取引先ごとに管理する場合も、月ごとに管理する場合と同じく封筒やファイルで管理します。発行した請求書の控えを取引先名に応じた封筒などに格納しましょう。同じ取引先の請求書をまとめると、入金されたかどうかの確認もしやすくなります。

なお、同じ取引先を一つにまとめる場合も、請求書の枚数が多ければ汚れを生み出す原因となります。そのため状況に応じて、新しい封筒を用意するなど臨機応変な対応が必要です。

方法3:Excelファイルをパソコンで整理する

領収書を全てExcelで作り、こちらのデータで管理するようにしてみましょう。最近のフリーランスは手書きの請求書を作るケースが少ないと思われますので、この方法で管理できる人は多いでしょう。

データで管理する場合でも、フォルダー構成は月単位か取引先単位にしておきましょう。どちらが良いのかは一概には言えませんので、上記でご説明したそれぞれの特徴を踏まえて判断します。ファイルで管理する場合は請求書が汚れたりしませんので、月単位で管理しておくのが無難だと思われます。

注意してもらいたいのは、データのバックアップを取っておくことです。印刷物とは異なりデータは、何かしらのトラブルで消える可能性があります。状況によっては復旧できる可能性もありますが、完全にデータが消えてしまう可能性もあるのです。

そのためデータは一箇所で管理しないのが理想です。自分のパソコンの中とバックアップにクラウドサービスなどへ預けておくと良いでしょう。

方法4:請求書発行サービスを利用する

請求書を発行するためのサービスが存在しています。クラウドサービスなどが多くあり、すでにこれらを利用して請求書を作っている人もいるでしょう。

フリーランスが発行する請求書を全てこのサービスで作れば、サービス上で請求書の管理ができます。PDFなどメール添付でやり取りする請求書も、わざわざ印刷することなくデジタル的に管理できるのです。

また、クラウドサービスの中には、請求書と会計システムを連携できるものがあります。このようなものを利用すれば、請求書を出して支払いしてもらったかどうかの管理までが一元化できます。

フリーランスが請求書を管理する目的は、支払いしてもらったかどうかの把握です。この目的を踏まえると、支払い状況まで管理できるサービスの利用が良いでしょう。

方法5:スキャンしてPDF化し、デジタルで管理する

領収書でご説明したのと同じように、請求書もデジタル管理が可能です。紙の印刷物をスキャンすることで、デジタル的に残せるようになります。

しかも、この場合は先ほどのように、デジタル化するための申請が必要ありません。基本的にはこの方法の利用が認められていますので、紙をスキャンしてPDFを作っても、上記でご説明した管理方法のように最初からパソコンで作っても良くなっています。

さらに、領収書の管理のように請求書の管理には細かな適用条件がありません。多くの企業やフリーランスがデジタルで請求書を管理できるルールが作られています。

ただ、フリーランスで紙の請求書を発行している人は少ないでしょう。システムなどデジタル的に発行するようにしている人が多いはずです。この場合は印刷してスキャンしなくとも、上記の方法でご説明したとおりそのまま管理できるようになっています。

まとめ

フリーランスに限らず事業者は領収書と請求書を管理しなければなりません。これは法律で定められていますので、フリーランスの場合は最低5年間必要書類の管理が求められます。

管理方法として最も簡単なのは、紙をそのまま封筒やファイルで管理するものです。やり取りした書類をそのまま管理すれば良いですので、あまり手間はかかりません。

ただ、紙で管理をしていると、量が多くなってきた際に手間となりかねません。そのため可能ならば領収書や請求書はデジタル化しておくと良いでしょう。管理の煩雑さから解放されますし、確定申告などの際に情報の整理がしやすくなります。

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